さて、後編ですが、賃貸併用住宅と民泊新法の活用方法についてお伝えします。
賃貸併用住宅という方法
投資用物件を住宅ローンで手当てする方法とて「賃貸併用住宅」という選択があります。
住宅ローンで戸建てを購入、建築する場合でも、賃貸部分の面積が一定以下であれば、金利の安い住宅ローンを組める場合があります。
住宅ローンで購入した物件を完全に賃貸に使用するのは契約違反なのですが、一般的に1/2以下であれば、可となるケースが多いのです。
(SOHOなどの事務所使用についての考え方もだいたい同様ですね。)
こうした、半分賃貸に使用する物件を「賃貸併用住宅」と呼ばれています。
賃貸併用住宅では、一定の条件(使用面積など)を満たせば住宅ローンでの借入れが可能ですが、住宅ローンの融資額だけでは建築資金が足りない場合、アパートローンと住宅ローンを併用する場合もあります。
通常、住宅ローンのほうが、アパートローンより金利は低く、融資の審査が緩いというメリットが挙げられます(アパートローンは年収や対象物件の価値など厳しい!)。
物件選択のポイント
ここで、物件選択のポイントですが、
家賃収入 ≧ ローンの返済月額 で考えてみてください。
つまりローンが月々20万ならば、家賃収入が20万円以上あるのが望ましいのです。
最悪は自宅部分も貸し出すことで、返済が滞ることがなくなるという計算式なのですが、つまり、住宅ローンより収入が多くなる物件を選択するということです。
常に家賃収入の方が多いように賃貸経営を続けると、その差額は月々の利益として働かなくても入ってきます。いわゆる「不労所得」というヤツですが、このようなシステムを作っておくことで、最悪の事があってもローンの返済が滞ったり、自宅を競売にかけられるような事態には陥りにくいのです。
賃貸併用住宅は事実上タダで自宅が手に入るというメリットだけではなく、ローン破綻リスクを回避する観点からも重要です。
今後は民泊で収益化?
また、今後は、民泊=宿泊業についても活用でき、さらなる家賃収入を期待できる可能性があります。
現在、民泊については、新法を制定し規制緩和去れるという動きがありますが、2017.3閣議決定され、国会に提出されており、早ければ来年から施行されるとも言われています。
民泊新法の動向については、こちらの過去記事をご覧ください。
簡単にいうと、これまで旅館業法の許可が必要であった民泊は、年間180日の日数制限付きで解放されます。
これにより、賃貸住宅の活用方法が飛躍的に広がります。
民泊新法により賃貸する場合の3つの方法
❶自ら「住宅宿泊事業者=ホスト」となり直接貸し出す方法。
❷賃貸で貸出し、貸し出した部屋の借主が事業者となり民泊施設を運営する方法
❸業者に委託する方法
現時点ではこの3つの運用方法が考えられます。金融機関が法制化後どのように動くかはわかりませんが、現時点では、空き部屋運用の選択肢が大幅に増えることが予想されます。
いずれにしても、投資用物件は、民泊新法で大きく動くと思いますので、法制化の動向は要注目ですね。