金利が低くなり、住宅の購入を検討される方も増えています。
ですが、皆さん良い住宅ローンと悪い住宅ローンがあるのはご存知ですか?私の考える良いローンとは返済率や金利がともに低い商品のことです。返済率が低いと、低い金利で借入することができます。金利は低ければ低いほど、その分、元本の返済が多くなるため住宅ローンの借り換え等もしやすくなります。逆に悪いローンとは返済率、金利ともに高いローンのことです。これは良いローンとは逆で借り換えもしにくくなります。
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返済率
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金利
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住宅ローン借り換え
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良いローン
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低い
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低い
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〇
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悪いローン
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高い
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高い
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△
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*返済率=1年間の返済額÷年収
ご存知の方も多いのですが、この返済率と金利を低く抑えることで住宅購入を通じて100万円得することができるのです!
具体的には
①変動金利を選択する。
②頭金の比率を購入価格の1割以上にする。
では具体的に返済率と金利を低く抑える方法をシミュレーションしながらご紹介していきます。
①変動金利を選択する。
◇シミュレーション
物件金額:3,000万円
頭 金:300万円
借入金額:2,700万円
返済期間:35年間
上記のシミュレーションを元にしてまず変動金利と固定金利を簡単に説明します。
<変動金利>
金利が半年ごとに見直されます。ただし、金利が変更されても返済額の変更は5年ごとで、返済額が増える場合でも、それまでの返済額の1.25倍までというルールがあります。そのため、金利が上昇すると返済額に占める利息の割合が多くなり、元金がなかなか減らないという事態もおこりえます。
<固定金利>
借入れから一定期間は固定金利で、その期間が終了するとその時点での金利に見直され返済額が再計算されます。固定期間は選ぶことができ、2年、3年、5年、10年などが主流です。金利は固定期間が短いほど低い傾向にあります。固定金利期間終了後は、同じ固定期間を選ぶか、固定期間を変更するか、もしくは変動金利型にすることも可能です。ほんの1%で支払い額には大きな差が出るので、『金利』は要チェックです!!
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金利
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返済額/月
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総返済額
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変動金利
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0.549%
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70,674円
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3,049万円
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固定金利
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1.500%
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82,669円
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3,232万円
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*固定金利は7年固定で試算しています
借入金額2,700万円で金利が約1%違うだけで月々の支払いは12,000円も差があり、総返済額では200万円の差が出ます。短期ローンではあまり差は出ませんが、長期ローンの場合は1%違うだけでも総支払額に大きな差が出ることを意識して下さい。
②頭金の比率を購入価格の1割以上にする。
頭金を購入価格の1割以上、融資率を9割以下にすることを目安にして下さい!これは融資率の割合によって金利が変わってくるからです。
以下はフラット35の融資率と金利範囲の一覧です。同じ家を買うのでも頭金が多ければ、融資率が下がり、金利の低い住宅ローンを組むことが出来ます。利息が少ない分、その後の返済も軽減できますね。
<例>フラット35 返済期間:21年以上35年以下
融資率
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金利の範囲
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9割以下
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年1.120%~年1.670%
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9割超
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年1.560%~年2.110%
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*融資率=借入額÷購入価格
しかし頭金を工面するのが中々難しい・・・という方もたくさんいらっしゃいます。その際、ご確認いただいているのは「ご両親からの生前贈与」 です。現在、住宅取得等資金に関する贈与税の非課税措置という制度があります。国土交通省のHPではこのような説明がされています。
『父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得又は増改築等のための資金を贈与により受けた場合に、一定額までの贈与につき贈与税が非課税になる制度です。』
ご両親から家の購入に必要な資金の援助を受けた場合、金額によっては贈与税がかかります。しかしこの制度を利用することで、非課税で資金援助を受けることができるのです。(条件や上限がありますので事前にご確認下さい)贈与税の非課税措置を知らない方も多い為、内容を確認しながら、ご両親とも相談してみましょう。
しかし、なぜここまでして融資率を下げようとしているのか。
下の図をご覧ください。
金利
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月々支払
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総支払額
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0.8%
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82,590円
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3,497万円
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0.5%
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78,526円
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3,386万円
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図をご覧いただくと、0.3パーセントしか金利差がないにもかかわらず、同じ3,000万円の借入金額でも支払額に100万円の差が出てくることがわかります。
家を購入する際、頭金を多く支払うことに対し、気が重くなる方も多いのですがその後の返済においては徐々に金利差の効果が出てきます。上記のポイントを押さえれば住宅ローンで100万円以上得する可能性は高まります。
今回、住宅ローンであと100万円を・・・という方法を述べてきました。しかし、変動金利や固定金利、返済率や融資率、いずれにしても個人の価値観や資産状況により変わってきます。 ローン条件や資産状況を見極めたうえで、住宅ローンを組んでいただけたらと思います。住宅購入の際に是非お役立て下さい。