『贈与・相続シリーズ』③一次相続は配偶者軽減で安心?
“家庭裁判所”と聞くと、離婚訴訟を
イメージする方が多いのですが
裁判案件の多くは『相続』なんです!
日本人が所有する財産の割合(内訳)を
見てみると、“不動産”の割合が半数以上という方がほとんど。
日本人はお家が好きなのですね。
現金や株、投信や保険などの金融商品の割合は
少なく、分割しづらい“不動産”が相続財産の
大半を占めるのです。
相続が争続になり、家庭裁判所で協議するケースが
増える1つの要因でもあります。
相続には一次相続と二次相続があるのはご存知でしょうか?
今回は一次相続についてお伝えいたします。
●一次相続とは
親からの相続で、ご夫婦どちらか一人目の相続
(例:相続財産は配偶者と子供が相続する)
一次相続はご家族にとって初めての「相続」になります。
(先代からの相続を除く)
ご両親のどちらかが他界され、残された配偶者と
子供達が相続人となります。
一次相続時には“配偶者軽減”が適用されますので
不動産(家や土地)を相続する場合でも、相続税を
支払う人は少なくてすみます。
また、残された配偶者の方を子供達もサポートしたい
という想いがありますので、あまり一次相続で
揉めるというケースは少ないようです。
<配偶者軽減>
配偶者の取得した財産が法定相続分又は
1億6000万円のどちらか多い方までは
配偶者には相続税がかからない制度
⇒つまり、ご自宅が1億6000万円以下の価格でしたら
相続しても相続税は発生しないということです。
(注意:その他の資産との合計額で計算されますので
ご自宅+現金などで1億6000万円を超えれば相続税が発生します)
●一次相続時に行って欲しいこと
一次相続時には亡くなった方の名義から配偶者の方へ
不動産の名義変更をされるかと思います。
その際、不動産の資産価値(売却価格)やその他の
保有資産(株、債券、投資信託、現金・預貯金、保険、
動産など)の把握をして頂きたいと思います。
何故かと申しますと、次の二次相続時には残された
ご家族(お子様)がそれらの資産を相続(分割)するからです!
<二次相続>
二次相続:夫婦のもうひとりも亡くなったときの相続
(例:相続財産は子供が相続する)
二次相続については次回のコラムで詳しくお伝えいたしますが
この“二次相続”が一番揉めると言われています。
ご両親が他界し、子供達だけで財産を相続することになります。
法定相続割合ですと、平等に2人なら2分割、
3人なら3分割となるのですが、相続財産のほとんどが
「不動産」となりますと分割することが難しくなります。
一次相続時に全資産の把握をし、二次相続時に
スムーズに分割できるよう準備や対策をしておく必要があるのです。
●二次相続について話し合うタイミング
相続の話は、ご家族でも中々しづらいというご意見が
多いのが事実です。
しかし、一次相続が終わり、何年も経ってしまうと、
記憶が薄れてしまったり、資産の価値が変わってしまったりとマイナス面も。
そこで、二次相続についてお話するタイミングとしては
一次相続が終わってから1~2年の間ぐらいが良いかと思います。
この間は法事や相続の後処理などで、ご家族が
お会いするタイミングも多い時期でもあります。
話しづらいことを先延ばしにしていると、待っているのは『争続』だけです。
出来るだけ、早めの話し会いと準備・対策をお勧め致します。
≪Point≫
一次相続時は配偶者軽減があります
二次相続の準備は一次相続が終わってから
1~2年の間がお勧めです