急速に変化する現代の不動産ビジネスに鋭いメスを入れ、業務をDX化し、売り上げ増加に貢献してくれる頼れる様々な企業を徹底的に紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)
現場で見つけた困ったを解決するサービス開発
画像提供=ダンゴネット
ソフトとハードの両面で不動産ビジネスを支援するダンゴネット(東京・国分寺)。不動産管理会社様向けの賃貸管理システム「賃貸名人」の開発が知られる同社だが、その他にもさまざまなサービス・製品の開発を行っている。
原状回復管理システム「リフォーム名人」などのソフトウェア、不動産仲介会社様向けの店頭物件ちらし広告用LEDパネル「集客名人」などのハードウェアを開発し、全国の不動産会社へ届けている。
そんなアイデア創出企業のダンゴネットだが、発想の多くは現場にあると考えている。
「『賃貸名人』は会社設立から数年後に生まれたものです。マンションの1階テナントにあった不動産会社様から、『賃貸の管理システムを導入したいが中小企業には高額すぎる。安くて良いものを作って欲しい』という要望があり、試しに作成してみたものが原型となっています」(同社・松川竜也社長)
現場の「困った」に真正面から向き合って、生まれたヒット商品というわけである。今では賃貸管理会社で「賃貸名人」を知らない人はほとんどいないのではないだろうか。
集客名人の設置画像 画像提供=ダンゴネット
広告用のLEDパネルである「集客名人」でも、現場の意見を反映した商品開発に努めた。窓一杯にテープで物件チラシが貼っている不動産会社の店舗はいまだに多い。太陽の光で色あせた古いチラシを、薄い蛍光灯の灯りが照らす光景が醸し出す「昭和の不動産店舗」はいかにも、入店しにくい。「集客名人」は、こうした雰囲気を変え、若い女性でも、もっと気軽に入店しやすくするために考慮して、作られた。
「できるだけ低コストで、効率的な賃貸管理システムを提供することで、どのような規模の不動産管理会社様でも気兼ねなく、永くお使い頂けるソフトウェアとなっています。現在導入企業様は5,500社以上、数多くの管理会社様に喜んで頂いております。また、店頭LEDパネルについては簡単・安価に店頭イメージの向上が期待でき入店の促進ができるため、こちらも1,200店舗以上の導入をしていただいております。」(松川社長)
同社では、今後もさまざまなサービス・製品の開発を続けていく。
1~2年後にはより総合的な管理ソフトウェアとしての機能を提供できるようにすることを目標にしている。また、5~10年後には業界全体としての物件情報や個人情報の共通フォーマット化によりスムーズ・シームレスな取引の実現を目指すという。
「世帯数の急激な減少により物件価値も二極化していく様相です。オーナー様や管理会社様の収益を確保していくためには入居率の確保はもちろん、空室を空室のままどのように活かしていくかのアイデアが不可欠です。業界全体として考えていければと思います」(松川社長)
ダンゴネット・松川竜也社長 画像提供=ダンゴネット