皆様こんにちは。ファイナンシャルプランナーの近藤喜隆です。「FP試験対策シリーズ」も今回からいよいよ2級編に入っていきます。「FP2級(ファイナンシャルプランナー2級)試験日・申し込み方法や合格率などについて」としてFP2級試験について詳しく説明していきます。今回から第8回の3回分が2級試験シリーズとなりますので、FP2級試験を受験される方はどうぞお見逃しなく!
FP3級編でも触れてきましたが、改めて以下の3点について振り返っていきます。
1.FP試験実施団体について
2.FP試験の難易度・合格率について
3.FP試験の日程や会場・申し込みについて
試験実施団体は、日本FP協会と金融財政事情研究会の2つがあります。どちらで受けてもFP技能士の資格は取れますが、特にこだわりがなければ、日本FP協会がお勧めです。また難易度に関しては、FP2級試験も、決して大変難しい取りにくい試験というものではなく、頑張れば誰もが合格点をとれるやりがいのある試験です。さらに日程・会場に関しては、1、5、9月の年3回、全国の主要都市で実施されています。
今回はこれらを踏まえながら、FP2級について深く掘り下げていきます。
今回の概要は以下の通りです。
≪FP2級試験概要≫
1.FP2級 試験日・申し込み・合格発表について
2.FP2級の合格率・難易度について
3.FP2級の学科試験、実技試験について
1、FP2級 試験日・申し込み・合格発表について
まず試験日については、毎年1月、5月、9月の年3回です。いずれも日曜日に一日かけて(午前・午後)行われます。3級技能士試験、1級技能士試験と全く同一の試験日になりますので、FP試験の場合、違う級を同時に受けることはできません。ご注意ください。皆様が受験目標とされる平成30年度の試験日程をご紹介いたします。
①≪平成30年度試験日程≫
第1回:平成30年5月27日(日曜日)
第2回:平成30年9月9日(日曜日)
第3回:平成31年1月27日(日曜日)
以上が試験日です。いずれも午前中に学科試験、午後に実技試験が行われます。
■2級学科試験 10:00~12:00(120分)
■2級実技試験 13:30~15:00(90分)
②≪平成30年度受験申込受付期間≫
第1回:平成30年3月16日~4月6日 (インターネット申込:同日21:00まで)
第2回:平成30年7月4日~7月25日 (インターネット申込:同日21:00まで)
第3回:平成31年11月12日~12月3日(インターネット申込:同日21:00まで)
以上が申込期間です。
インターネットからの申し込み
日本FP協会または金融財政事情研究会のホームページ上から申し込みます。
受験料の支払方法は、コンビニエンスストアでの払込、またはクレジットカード決済のいずれかとなります。
申請方法や支払方法の詳細は試験実施団体のホームページをご覧ください。
■日本FP協会 https://www.jafp.or.jp/exam/step_01/
■金融財政事情研究会 http://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/apply/index.html
書類郵送での申し込み
受験申請書(願書)を、ご自身で試験実施団体等(※)から取り寄せ、記入・郵送する方法です。願書はホームページ上からダウンロードすることも可能です。
(※)その他、全国大型書店、認定教育機関で入手することもできます。(日本FP協会の場合)詳しくは日本FP協会のホームページをご覧ください。
https://www.jafp.or.jp/exam/dist/
なお支払方法は、銀行振り込みとなります。
いずれの方法でも受験料を払い終えたところで、申込完了となりますので、期日までに忘れずに行ってください。受験料は以下の通りです。
FP2級:学科試験と実技試験 8,700円
(内訳)個別に受験する場合
学科試験 4,200円
実技試験 4,500円
その他、詳細は、試験実施団体のホームページをご確認ください。
日本FP協会 https://www.jafp.or.jp/exam/
金融財政事情研究会 http://www.kinzai.or.jp/fp
③≪平成30年度試験合格発表日≫
第1回:平成30年6月29日
第2回:平成30年10月22日
第3回:平成31年3月7日
いずれの回も、試験から約1.5ヶ月後に発表になります。結果は申込住所あてに、
普通郵便にて郵送されます。また合格発表当日午前10時から試験実施団体のホー
ムページ上で確認することもできます。
2、FP2級試験の難易度・受験資格・合格率について
まずFP2級試験の難易度に関してですが、国家試験ではありますが、頑張ればだれもが取れる、やりがいのあるレベルであることが言えます。決して大変難しい試験ではありませんが、6分野にわたる広範囲な学習が必要となります。FP3級で学習した内容をベースに、そこにプラスアルファしていく学習スタンスが大切です。もちろん3級よりは、難易度が高く、掘り下げた学習が必要となります。またFP2級試験に関しては、3級と違い、受験資格が必要となります。受験資格は以下の通りとなります。
【FP2級の受験資格】(主なもの)
①FP3級技能検定合格者 ~つまり3級に受かっている人です。
②2年以上のFP実務経験を有する者 ~金融機関などFPに関連する業務に2年以上、従事している人です。
③日本FP協会認定のAFP認定研修を修了した者 ~この研修を修了した人は、3級の受験の有無・合否に関わらず、FP2級が受験できるというものです。
以上の3つのうちのいずれかの資格をもつ人がFP2級を受験できることとなります。③に関し、説明いたします。
日本FP協会の認定する認定教育機関というものが全国各地にありますが、これらが主催しているAFP認定研修(有料)というものを受講し、終了すると受験資格が得られるというものです。FP6分野を幅広く学んだうえで、FPコンサル実務を想定した「提案書」というものを作成し、合格すると修了となります。提案書の作成も難しいものではありません。大変役に立つ研修ですので、ぜひ受講されることをお勧めいたします。
AFPとは、日本FP協会が認定している資格名で、正しくはAffiliated Financial Planner といい、Affiliatedは直訳すると「所属している」という意味で、日本FP協会に所属している会員の資格と言えます。「普通FP資格」とも言われます。国家技能士の2級に相当しますが、提案書を修了している分、より実務力があると評価されます。③のルートで2級を受験し、合格すると、2級FP技能士のみならずAFPに登録する権利も得ることになります。
詳しくは日本FP協会のホームページをご覧ください。
https://www.jafp.or.jp/exam/qualification/
最近の合格率は以下の通りです。平成30年1月試験結果も加えた最新版です。
FP2級合格率(日本FP協会)
|
平成30年1月 |
平成29年9月 |
平成29年5月 |
2級学科試験 |
45.63% |
47.82% |
41.44% |
2級実技試験 |
57.45% |
58.34% |
46.79% |
学科実技同時合格 |
42.16% |
44.01% |
36.07% |
2級に関しては、学科実技同時合格率4割前後となります。3級の7割前後に比べるとぐっと難化することが言えますが、その分、合格者には、高い社会的評価が与えられます。つまり履歴書に堂々と記載出来たり、名刺に入れられたりと、就職、転職にも有利となります。頑張れば誰もが取れる試験ですので、ぜひ合格を勝ち取ってください。
FP2級合格率(金融財政事情研究会)
|
平成30年1月 |
平成29年9月 |
平成29年5月 |
2級学科試験 |
28.53% |
30.21% |
24.85% |
2級実技試験 |
31.72% |
51.29% |
34.12% |
金融財政事情研究会の受験者の合格率は、日本FP協会の合格率と比べ、やや低い傾向にあります。ただし学科試験に関しては、試験問題は全く同じですので、受験者層のレベルの違いと言えます。一方、実技試験に関しては問題に違いがあります。上記の合格率は、「個人資産相談業務」試験の結果です。いずれにしても合格ライン(60%)を突破すればどなたも受かる試験ですから、ご自身さえしっかり得点すれば、周りの受験者層のレベルを気にする必要は全くありません。
合格点は以下の通りです。
学科合格点:60点満点で36点以上
実技合格点:100点満点で60点以上(日本FP協会)50点満点で30点以上(金融財政事情研究会)
3、FP2級の学科試験、実技試験について
では次に、学科試験と実技試験の違いについて説明しましょう。FP技能検定試験は、学科試験と実技試験の双方に合格し、初めて完全合格となります。片方だけの合格では、技能士資格を取ることができません。そのため両試験の対策をして合格を勝ち取ることが必要となります。FP2級試験日として同一の日に行われます。
FP2級:学科試験
FP6分野の知識を、横断的に問う試験です。出題形式は、四択方式の全60問です。各分野均等に出題されるため、分野ごとに10問ずつの出題です。マークシート方式。試験時間は120分です。午前10:00~12:00
FP2級:実技試験
実技試験というと何か、体を動かしたり、面接を受けたりといったイメージを持たれるかもしれません。ただしそんなことは全くなく、ごく普通のテストですのでご安心ください。なぜ実技と呼ぶかというと、FP実務であるコンサルティングを想定した事例問題で多く構成されているから、こう呼んでいるだけなのです。
日本FP協会と金融財政事情研究会とで問題が異なりますのでご注意ください。
■日本FP協会:「資産設計提案業務」 40問。記述式。
FP6分野から出題されますが、出題量には偏りがあり、ライフに重点が置かれています。記述式と言っても、論文を書かせる形式ではなく、「択一」、「語群選択」、「空欄記入」の各形式となります。
■金融財政事情研究会:「個人資産相談業務」
リスクを除く全5分野の事例形式が計15問程度出題されます。こちらは各分野均等に3問づつです。その他、「保険顧客資産相談業務」試験があります。こちらも記述式です。
協会、金財いずれも試験時間は90分です。午後13:30~15:00
以上、第6回はFP2級試験の概要について、掘り下げて見てきました。次回はFP2級試験の学科試験を中心に実際の出題例も見ながら、学習方法などを説明してきます。どうぞお楽しみに!
【執筆協力】
■所属
近藤FP事務所 代表 (有)徳友舎 代表取締役
■保有資格
・CFP
・1級FP技能士
・宅建取引士、
・相続アドバイザー協議会(R)上級アドバイザー
■所属・加入団体・等
2009年 資格の学校TAC FP講座講師
2016年 一般社団法人「理想の住まいと資金計画支援機構」千葉支部長
2017年 日本FP協会「2017年度くらしとお金の相談室」相談員