市場価格とはどのようにして決められるのか
不動産物件は市場原理だけで決まるわけではありません。勿論、モノの価格が市場原理に基づいて決定されるということは間違いないのですが、こと不動産物件については同一の条件のものはほぼないため、すべてが市場原理で決められているわけではないのです。
まず市場原理が働く例として、どこにでも売られているメーカーのコーヒーで考えてみましょう。これをあるお祭りで自分が売るとします。自動販売機で150円、近くのスーパーでは80円のコーヒーをあなたはいくらで販売しますか?120円にした場合はまず自動販売機よりも多くの人に買ってもらえます。しかし、スーパーでは80円なのでそれと比べるとかなり割高と感じます。では100円にしたらどうでしょう。多少ス―パーよりは割高ではありますが、一番よく売れるのではないでしょうか。こうして決められていくのが市場価格というものです。
不動産価格は1点ものです
先ほどの市場価格は、一般的にありふれたモノが対象の話です。ではそうではないモノの場合はどうでしょうか。例えば、自動販売機やスーパーのコーヒーに対して自分で豆から挽いた手作りのコーヒーを販売するような場合です。これだと先で取り上げた量販のコーヒーを売る場合のように市場原理だけで価格は決まりません。つまり比較対象とするものがないので、うまくすれば自動販売機の150円のコーヒーよりも高い200円などで売れる可能性も出てきます。つまり全く同じ商品が存在しないモノの場合は市場原理のみに左右されないということが言えます。このようなことから不動産物件も同じことが想定できます。仮に同一のマンションの同じ階数で同じ間取りであっても、中から見える景色は全て同じではないのです。同じように見えてもすべてが同一ということはありえません。また、内装をリフォームしているなど物件ごとに明確な違いがある場合もあり、1点ものと呼べる物件も少なくありません。査定価格は周りとの比較などで決められるのですが、必ずしもそれがすべてではないということがわかりますね。