物件の価格は状況に応じて変化する
「子供が生まれ今住んでいるマンションでは小さくなったので、ここを売却して新しいく大きい家に住み替えをしたい」という相談を不動産会社にしたとしましょう。すぐに売却したいということから、不動産会社が下取りをして、すぐにお金の振込をもらえることになりました。時間がないという観点でもう少し高く売れる可能性はあるけれども、交渉が成立し、下取りされた金額が1500万だとします。このマンションを購入した不動産会社は、この1500万に利益分などを上乗せし、リフォームなしの2200万で売りに出したとします。最終的には買い主との価格交渉となり2000万で売却されることが決まりました。このマンションの物件には3つの価格が付けられたことが分かりますか?①不動産会社が購入した1500万②不動産会社が売りに出した2200万③不動産会社からの売却で成立した2000万。このように、その時の状況に応じて不動産の価格というのは変動するものなのです。このように価格は変動することから、不動産に適正な価格を付けるというのは極めて困難な作業なのです。
少しでも高値で売りたい人へ
少しでも高い値段で売りたいというのはどの売り主も同じでしょう。時間をかければ高い値段でも買いたいという人があらわれてくるかもしれませんが、必ずしもそうではないことを覚えておきましょう。1年後に完成するマンションの購入が決まり、今住んでいる物件を売却したい。まだ1年先の話なので相場が3000万の所、はじめは多少高めに3500万で売り出し価格を設定し、どれくらいの買い手があるか様子を見ることにしました。しかし、仮に同じマンションで3000万の物件が売りに出ているような場合は、差がつけにくく買い手が現れないということはままあります。結局そうなると時間ばかりを浪費し、また内覧の準備などでも精神的に疲れてしまいます。これでは損しかありません。だからと言って、相場で売りに出せばすべてがすぐ決まるというわけではありませんが、相場よりも高く売るには何らかの差別化ができる内装がされているなど個性的でなければ難しいでしょう。