室内の状況把握が難しい
賃貸中の物件をそのまま引き継ぐことになりますので、所有者になるからと言って、入居中の部屋を勝手に確認することはできません。聞いていたよりも設備が古かったり、室内が汚れていたりと見えない部分があることに注意する必要があります。
家賃保証や借家賠償がされていない場合も
物件に家賃保証委託契約がなされていない場合も多いでしょう。この場合、家賃の滞納があった際には自分で督促や明渡しの手続きをとる必要がでてきます。また、入居者は基本的に借家人損害賠償責任保険などに加入しています。家財保険、借家賠償保険に対し賃借人は2年間で1.5万円前後の保険料を納めるわけですが、長年入居している場合など、これらの保険契約の期間が満了しているにも関わらず更新手続きをとっていなかったり、保険料が未払いという場合もあります。所有者自身が別途に火災保険に加入していればカバーできることもありますが、そうでなければ、例えば入居者の不注意でボヤを起こし、壁が焼け焦げてしまった場合などの原状回復費の支払いが滞りかねないため注意が必要です。所有者側の保険はこういった原状回復義務に対応するためにほぼ必須ですので、必ず入ってもらう、または更新をしてもらうようにすると良いでしょう。
入居者の属性がわからない
新築物件や空き室に新たに入居者を募集する際などは、どのような方が入居を希望しているのかある程度審査することが可能です。しかし、オーナーチェンジ物件の場合は、すでに入居している方はそのまま継続して入居が可能ですので、どのような属性のかたが利用しているのかが把握しづらいのです。物件購入の際に入手できる情報は、おおむね賃貸借契約書のコピー程度と言われています。また、個人情報保護ということで、氏名だけでなく勤務先、電話番号などの重要項目も黒く塗りつぶされていることもあるようです。したがってどのような人が、どのような家族構成で住んでいるのかなどが分かりづらくなるため、悪質な入居者が住んでいたというケースも可能性としてゼロではありません。