森友学園に国有地を売却した際に売主である近畿財務局は、生活ゴミの処分費用も含めた8億円を値引きしていたとされています。
はたして、この生活ゴミの処分費用等の8億円は高いのか安いのか。
家を解体して出る廃棄物と違っていわゆる生活ゴミは、安定型混合廃棄物と管理型混合廃棄物とわかれます。前者の安定型混合廃棄物とは、食器等の瀬戸物やプラスチック等の形が変わらないものを指します。それとは別に、後者は布団や衣類等の形がかわるものを指します。
廃棄物の処分費用としては前者と後者とでは2倍以上違いがあります。
後者の管理型混合廃棄物は、アルミ製の専用の袋に収納してリサイクル専用埋め立て用地に廃棄します。
空港の滑走路などはこの廃棄物が利用されています。
そうなるとこの森友学園の用地の廃棄物はどうもこの後者の管理型混合廃棄物の高コストの計算になります。
森友学園の用地は約8,770㎡です。深さ3mの埋設物としてその生活ゴミの量は約26,310㎥となります。
大型ダンプ1台が仮に10㎥運んだとしてなんと2,631台分になります。
搬出・運搬・処分で1台20万円とすると5億2620万円になります。
その他の経費を入れていくと8億円は、まあ妥当な?感じもします。
さて、そんな森友学園の廃棄処分費から今社会問題になっている空き家の解体費用はどんなものでしょうか。
建築業者の営業マンが感ピューターで語られる解体工事費は坪5万円と30年前から言われきました。
しかし、その金額はほとんど宛になりません。
空き家と呼ばれる住宅といっても木造と鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)の構造の違いだけなく、敷地の立地条件としての道路の幅員によっても大きく違いがあります。
建築の世界での見積もり基準は、4トントラックが侵入できる道路(4m以上)になりますから、4m未満の狭い道路をはじめ、敷地そのものがいわゆる路地上敷地(敷地延長・旗竿地)と呼ばれる土地の場合には、小運搬と呼ばれる手運び作業のため費用はどんどん上がっていきます。
ということで解体工事費用は、現場により一概に高い安いと言えないのが現実です。
さらに、家具や衣類などの生活ゴミの処分は解体工事費とはその処分方法が違うために想定外の費用がかかりますから注意が必要です。