籠池劇場ですっかり話題となった「忖度」。

日常的にはまず使わない言葉ですね。

その意味は、ひとことでいえば「他人のこころを推し量ること」となりますが、なかなか難しい日本語です。

「忖度」を英訳すると「Moderation」となりますが、この「Moderation」を和訳すると「節度、中庸、頃合い、中道・・・」となり、どれも日本語の「忖度」のほんとうの意味とはかなり違ってきます。

そうなると「すきやき」と同じように新しい英単語として「sontaku」が誕生するのでしょう。

忖度は、政治の世界ではよく使われます。

民主党政権時代の2010年4月17日に当時の石原慎太郎都知事がある政治集会で永住外国人への地方参政権付与をめぐり次のようなことを発言しています。

「与党を形成しているいくつかの政党の党首とか与党の大幹部は、調べてみると多いんですな・・・ごく最近帰化された方々や子弟の人たちは、いろんな屈曲した心理があるでしょう。それはそれで否定はしません。その子弟たちが、ご先祖の心情感情を忖度(そんたく)してかどうか知らないが、とにかく、永住外国人は朝鮮系や中国系の人たちがほとんどでしょ、この人たちに参政権を与えるというのは、どういうことか・・・」

 

さて、この忖度。

実は営業の世界では古くから使われている言葉です。

30年以上も前のことですが、私が住宅会社の営業部の責任者をしていたときにあるベテランの営業マンが競合相手であるS社に苦戦していて契約になるかどうか背戸際の時にその営業マンに上司として同行しました。

結果は見事に競合敗戦して契約はS社に契約は取られました。

プラン(住宅の間取りを設計すること)は私がつくったものでしたが、S社が契約したプランは私のつくったプランのコピペでした。

しばらくして腑に落ちなかった私はそのお客様に電話してみたのです。

S社のどこが良かったのですか?」

「だって・・・S社の営業マンとてもハンサムだったから。それと私と主人と意見が違うでしょ。でもその営業マンはいつも私の気持ちをよく忖度してくれたのよ。」

30年以上経った今でのその奥様の電話口から聞こえてくる声をはっきり覚えています。

営業マンの教育のキーワードにこんなものもあります。

「最高のお迎え、おもてなし、挨拶、そして会釈、目礼、忖度」

戸建て住宅を新築・建て替えをする場合には、忖度のある営業マンを選ぶことがいい住まいづくりになることだけは

確かなようですね。

 
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