この43条但し書きは、行政によってはかなり弾力的に運用しています。

例えば、現状4m未満の1.8m幅員の通路であっても、申請する区画については中心2.0mのセットバックを必要としますが、それ以外の区画について片側だけでも2.0mのセットバックが確保でセットバックになりますが、手前の区画については念書なるものでOKになる行政も出ています。

念書の内容は「将来建替え時にはセットバックする」旨のものですから、現状は何も変わりありませんからとても書きやすい?念書になってきます。

そうはいっても将来の建築計画時にセットバックする旨の念書1枚もなかなか書いてもらえるかどうかは困難な場合が多いわけです。

とにかく土地に関しては、たとえ借地であってもわずか1cm足りとも第三者に提供するのは困る?というのが日本人の地所意識です。

位置指定道路の隅切り提供はもちろんのこと43条但し書きの将来の土地提供もなかなか協力が得られないの現実です。

借地問題で一番多いのが前述のような私道による借地区分で建築基準法上の接道義務を満たさない借地区分が発生することなのです。

 ところが借地問題が実は建築基準法上の道路問題だけでは解決できないという現実も多くあります。

一番の問題が借地人の高齢化です。特に解決不可能な問題を抱えて借地人の高齢化も進み、これは都市部における大きな社会問題にもなっていることは事実です。

駅前の一等地の借地であっても借地人自身が少子化の中で子供は独立して同居しなくなりました。

残された老人世帯ではローンの借り入れもままならぬ年齢になり建物は老朽化の一途をたどるばかりです。

もちろん、住宅ローンにはこどもが債務を承継するローンもありますが。その子供が現在の日本の社会問題にもなっている低所得層であることが多いのです。

年収200万にも満たないフリーターの子供にはローン借り入れは遠い世界の話になっています。

そして、この借地人の高齢化問題が都市におけるゴーストタウン化を促進している一因でもあるのです。

いずれにしても借地における空き家問題の解決は、建築基準法の改正等を考えていかなければ根本的な解決にはならいないかもしれません。

 
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