団塊世代の消費生活は、空き家を所有する大正~昭和初期生まれの火を爪に燈す世代の節約世代とはまったくそのライフスタイルは違います。
高額商品の購買ではもちろん別荘やリゾートマンション等も定番ですが、都心回帰となった最近は都心のそれも山手線の中に夫婦二人で居住する都市型マンションを購入していく傾向が見えます。
都心である渋谷区や港区・中央区のマンションは売り出すと即日完売になることはめずらしくありません。
それとは別に、田舎に古い民家を移築してこだわりの田舎暮らしをする方も増えています。
この民家移築というのは、大変な工事がかかるもので通常の新築の倍以上の建築(移築)コストがかかりますから、相当の財力がないとその夢はかないません。
従来の田舎暮らしは、離村した既存の老朽家屋に賃貸や購入で住むのですがそれほどコストはかかりません。それにくらべてこの古民家移築のライフスタイルはコスト高ということだけでなく古い民家へのこだわりや価値観がないとできないことです。
このように不動産といった高額不動産や古民家といった買い物もありますが、最近は高額な消費財にも目がいっているようです。
たとえば、車離れした若者世代が結婚して所有する車はワゴン車が定番ですが、子育てが終わった団塊世代は、輸入車であるベンツやアウデイなどにその志向が変わってきています。
最近、都心にある輸入車販売店で営業マンに話を聴く機会がありました。
営業マンの説明は、「そうですね。購入者の大半が50代から60代が中心ですね。」となりました。
そんな団塊世代の親の所有する田舎の不動産や都心の不動産はどんどん空き家になっています。だれも住まい空き家が増えるには理由があります。
そうです、ずばり相続問題です。
田舎の不動産は、もう二度と故郷には戻らない団塊世代の相続財産ですが、その活用方法が見えてこないのです。
自分たちではもう住まない田舎の不動産の活用方法とし考えられるのは売却・リフォームして賃貸・建替して賃貸の3種類がありますが、田舎の不動産は、そのどれもが実現できないのです。
では、都心の空き家はどうして空き家になってしまうのでしょうか。
それは、それなりの価値ある活用法があるにもかかわらずにです。
空き家といってもその所有者やその配偶者が介護施設に入居中あったり、あるいは子供たちと一緒くらすために空き家になっているなどその実態は多岐にわたります。
少なくとも親が生きている間は、そのまま空き家の状態が続くことになります。
そして、相続が発生しても実は、活用方法に相続人(兄弟姉妹)で意見がまとまらないことが多く、空き家のままで放置されるということになります。
空き家の活用で3種類の活用法でも、売却はすぐに可能ですが賃貸となるとその工事費がでてきます。
段階世代は、自分たちの生活がまず一番ですので、親の家にあらたに投資するリスクには無関心のことが多く、団塊世代のライフスタイルの多様化で生活に困らない相続人に親の所有する不動産の活用を急ぐ理由がないのでしょう。