日本公証人連合会から10年前に出された全国銀行協会への嘆願書は次のような論旨で門前払いになっています。
1.公正証書遺言の無効が裁判所で争われた件数は、24件。そのうち11件に無効の判決。わが国の訴訟事情からみて氷山の一角にすぎないことは想像に難くない。
2.遺言原稿の事前作成と遺言者の口授の問題は学者や裁判所関係者によって警鐘がならされているが、一向に改善していない。
3.現在の公証人の任用方法と正規の養成制度を欠くとの指摘。裁判官、弁護士、行政官等の職歴を持つ者が無試験で、しかも公証人に不可欠と思われる実地研修さえも免除されて任用されていることである。弁護士出身者はいない。
4.判断能力に問題があっても、遺言は野放し状態である。銀行は、問題のある公正証書遺言の被害者となっている。
・・・凄いですね。
公証人の半数が元裁判官で残りがいわゆるヤメ検ですが、ずいぶんと辛らつなことのようです。
実は、10年以上前ですがある信託銀行のOBの方を相続セミナーの講師に招いていた時期があります。
その講師の実体験のお話が現実を物語っていました。
・・・・遺言者の入院先の病院に出向いてきた公証人が来た時の話です。
公証人「おばあちゃん。おはようございます。」
おばあちゃん「はあ?あ?あ?・・・」
まだらボケであったおばあちゃんはこの日はどうも調子が悪いようでした。
公証人「これはちょっと・・だめですね。午後また来ましょう!」
午後また来たときはすっかり機嫌のいいおばあちゃんでした。
公証人「それでは、読み上げます。よろしいですか?」
おばあちゃん「はい!」
公証人「はいっていいましてね。証人の方も確認よろしいですか。」
無事に公正証書遺言書はつくられました。
話は10年前から現代に戻って・・・
やはりこの世界はお金が絶大な権力をもつのでしょうか。
先月のトランプ大統領誕生とその前のイギリスのEU離脱で世界の潮流は完全にグローバリズム(国際金融資本)の支配からナショナリズム(アメリカファースト・ジャパンファースト)にシフトしましたね。
日本における若者はもうとっくに物=お金でなくスピリッチャルな世界になっています。
法治国家としてのリーダーだった元裁判官がこんな仕打ち?受けている日本ですが世界は希望の未来に向かっていますので全国の相続人の方は肩を落とさずに来年に期待しましょう。