離婚協議中に突然に事故でご主人を亡くされた奥さんのお話しです。
相続財産は時価2,000 万円の自宅と金融資産4,000 万円で6,000 万円ほどでした。
相続人は、配偶者としての奥さんと26 歳の長男と25 歳の次男、そして23 歳の三男の4 人でした。
息子3 人と遺産分割協議書をつくりたいという要望でその話し合いに立ち会うことになりました。
奥さんは遺産分割は「民法通りでいい」と思っていたようです。つまり配偶者としての法定相続分として3000万円になります。自宅2,000万円と金融資産1,000万円ということになります。
そして、すぐにその日が来ました。私はのご自宅を訪れ、遺産分割協議に立ち会ったのです。何か重い空気の中で家族全員が無口のまま席に着くと同時に、長男が開口一番に母親である奥さんを罵り出したのでした。さあ、これから親子4 人の遺産分割協議はいっ
たいどうなることでしょうか・・・。。
修羅場と化した遺産分割協議
母親と息子3 人との激しい罵倒の応酬はなんと2時間も続いたのでした。息子たちは嫌悪感や憎悪をむき出しにして奥さんを非難し、その言葉に返して奥さんも負けずに言い返すという堂々巡りです。
最初に奥さんから聞いていた家族関係とは全く違っていました。奥さんは仕事が多忙のため自宅から離れ、家族と別居していると聞いていたのですが、それは嘘で亡くなられたご主人と離婚寸前であり、別居の理由は仕事ではなく、離婚を前提としたものであったということでした。夫婦仲の悪さは、20年以上も前からのようでした。家庭をかえりみず仕事優先の奥さんに愛想をつかしていたのは亡くなったご主人のみならず3 人の息子も同じだったようです。20年以上も前から家事、育児を放棄してきた母親はもう親ではないと確信している様子でした。離婚寸前に不幸にして事故死されたご主人の相続人として息子3 人の主張は、そんな母親は父親の遺産を相続する資格はない、全ての遺産は自分たちのものだと主張しました。(続く・・・)