相続税はなんと1 億円
Aさんの父親からの遺産総額は、土地が400 坪で4億円、自宅と3 階建の賃貸マンションが4,000 万円と預貯金は2,000 万円、債務は1億円ということですからいわゆる資産家の相続のお話です。債務の中身は8年前に建築したマンションのローン債務です。
相続税はなんと1億円です。
Aさんは相続税の納税のために、更地として用意していた自宅の駐車場100 坪を売却して納税資金に充てようと考えていました。
Aさん48 歳でお子さんが2人いる3人家族。10 年前に夫とは離婚して女手一人で子育てをしてきたとのことです。
しかし、子育てが終わってすぐに父親の相続を迎えたことになります。
Aさんの母親父親よりも早く数年前に他界しており、Aさんには兄弟姉妹もいないため相続人はAさん1人です。
相続人が1人ですから遺言書はもちろんのこと、相続後の違算分割協議書も不要であることは言うまでも
ありません。
つまり相続税の納税問題以外は何も心配はないということです。
道路がない?
自宅と賃貸マンションの敷地としての土地400 坪は、東南角地に位置する土地です。接道する道路は南側が幅員6mの公道。そして、東側が幅員4.5mの私道となっています。
土地の西側半分の200 坪には3階建ての賃貸マンションが建っています。東南角地の東側200 坪は南側が自宅100 坪、北側100 坪が駐車場です。
今回の相続でこの駐車場はすでに全て駐車場契約を解約が完了しています。
いよいよ相続税の申告と納税を2ヶ月後に控えたAさんは、土地の売却を具体的に進めることにしました。すると、相談した不動産屋さんから衝撃の事実が伝えられました。
「お客さん!駐車場の土地には道路がないので売れませんよ!家が建たないんですよ。いわゆる死地(しにち)ですね・・・。」
愕然したAさんには、ショックでしばらく口も聞けませんでした。(続く・・・)