土地活用の切り札としてのアパート建築は、「貸家建付地の評価減」が有名です。
30年も昔から土地活用全盛時代のバブル期は、金融機関や住宅メーカーと不動産屋さんが唱えるキーワードを当時の地主さんが信じて疑わなかったようです。
それはかの有名な「借金をすると相続税が節税できる」という都市伝説?です。
その言葉は全くの嘘ではないのですが、とても乱暴で粗野な言葉でした。
その当時の金融機関や住宅メーカーと不動産さんやさんの大半の人が、借金をした土地活用の節税の仕組みを正確に理解している人は、皆無といっても過言ではありません。
いまはもうすでに常識になっていますが、あらためて解説すると次のようなからくりになります。
バランスシート上、借金1億円は負債になります。
次に借金した1億円は現金(預金)として資産ですが、資金実行されたその日のうちに工事会社に工事代金として支払われます。
つまり借金をしても建物工事中は負債と資産はプラスマイナスゼロになります。
無事に建物工事が完成すると翌年、現金(預金)は工事代金の支払いを経て建物は固定資産税評価として建物工事価額の約3割程度で評価されます。そうすると資産の現金(預金)1億円は、固定資産3,000万円に化けるわけです。
さらに、相続の時にはその建物評価は貸家として▲30%で評価されますので2,100万円まで下がります。
すなわち相続発生時の相続資産の建物評価は、借金1億円と建物資産評価2,100万円との差額で7,200万円の資産マイナスになります。
つまり、1億円の借金で7,900万円の資産評価減になるというものです。
相続税の節税で数年前からブームとなっているいわゆるタワーマンションも全く同じからくりになります。
タワーマンションの場合には相続税上の評価は低層階も高層階も全く同じ(その後一部改正されましたが・・・)ですから絶大な効果があったわけです。
現実的には、そういったアパート建築建築する郊外型の地主の大半は相続税の税率は40%以上ですから、資産マイナス7,900万円万円×40%の3,160万円の節税になります。
さらに土地の評価も貸家建付地としての▲18%評価減で建物と土地のダブルで驚異的な?節税になりますよというからくりだったのです。
貸家建付地とは、被相続人が土地とアパートマンション等の賃貸不動産を資産としていた場合のも相続税の財産評価における減価要因です。
通常は、借家権割合30%×借地権割合60%=18%が評価減となります。
賃貸不動産は、貸倉庫や貸店舗・貸工場も含まれます。