なぜ空地(何もしない)が最善の土地活用なのでしょうか
都心型の商店地主の土地活用に続いて、いわゆる郊外のアパートオーナー層である広大な土地を所有する地主の土地活用を考えてみましょう。
郊外の地主さんが所有する土地は最低でも3,000㎡(1,000坪)は下らないでしょう。
相続を間近に控えた地主さんの中にはそれ以上の土地を所有していることも多いでしょう。
こういった地主さんの悩みはなんと言っても広大な土地にかかる莫大な相続税の問題です。
1億円から数億円の相続税の納税資金はこの空地の売却資金からになります。
そのために空地は何年、いや十数年に渡り何もしない空地としてただひたすら相続の日まで持続されていきます。
何もしないということは、実はその土地の問題点もほとんど把握していない場合もありまする。
もちろん、その土地の測量もしていませんのでいわゆる縄伸び縄チジミがあるのかないのか皆目見当もつきません。
土地の問題点は、主に建築基準法と都市計画法さらに相続税における土地評価の問題になります。
相続が発生してはじめて土地の問題が浮上して、実は売却できないという事態にもなりかねないのです。
郊外地主の土地のキーワードを知る
何もしない郊外地主さんの悩みを理解できるだけの最低限のキーワードは4つあります。
そのキーワードは次の通りです。
・セットバック
・都市計画道路
・無道路地(むどうろち)
・広大地(こうだいち)
セットバックとは、建築基準法42条2項道路(以下、2項道路)のことです。
この2項道路とは、4m未満の道路に接道した土地に建物を建築する場合には道路の中心線から2mセットバックして残りの土地が建築の敷地となるというものです。
例えば、当初300㎡であった土地はセットバックが50㎡必要なために残りの建築敷地は250㎡まで減ってしまうというものです。
次に、都市計画道路の問題があります。
都市計画法による都市計画道路が地主さんの土地に入っていることはよくあることです。
しかも、地主さんにとっては幹線道路に面した一等地にその計画道路が入っている場合が多いのです。
都市計画道路内の土地にはいろいろと規制があるために土地活用にも支障がでてきます。具体的には、計画道路内に堅固な建物(鉄筋コンクリート造)の3階建て以上は建てられません。そうなるとせっかくのビルやマンション等の建築に支障がでます・
では、そういった道路や計画道路はどこで調べるのでしょうか・・・(続く)