政府において2018年新築引き渡しの高層マンションで高層階についての税負担
を多くする検討を行うことが決まりました。
ここでタワーマンションの功罪 メリットとディメリットを考えてみましょう。
《タワーマンションの建設にあたって》
タワーマンションは建築にあたって広い土地に公開空地や緑地などを取ることで
建築基準法上の特例をうけて容積率を増やしたり高さ制限の緩和を受けたりして
様々な特典を受けています。
不動産的に言えばもともとの土地を何倍にも膨らませ多くの床面積を確保したり、
そのことで販売する住戸数を増やし最大のメリットを受けようとするものです。
ただ時間的にも大変手間暇がかかり、土地の取りまとめと開発に多くの関係者が
携わり、設計にも施工にも時間とお金がかかります。
また開発にあたって行政からも開発許可のため様々な要求付帯事項が課せられ、
それは結果として住民や地域の人にも還元できる計画となっている場合が多い
のが特徴と言えます。
そういった背景から、開発そのものもお金をかけて多くの投資を行うために、
多くの資金を必要とする一方開発利益も多いのが一般的なタワーマンションの
特徴です。したがってディベロッパーも建設関係者も大手です。
《メリット》
・立地、利便性が良い
・高級物件が多い
①内外とも仕上げや仕様が良い
②階高、天井高が高い
・緑地や広場などが多い
・敷地周辺との調和した計画となっている
・コミュニティに配慮している
・共用施設やゲストルーム、場合によっては
保育施設やジムやパーティルーム等充実している
・セキュリティなど24時間体制の警備など備えている
・最近はフロント業務としてコンシェルジェやクリーニングなどの
サービスも行っている
・ゴミ処理システムなども充実して対応している
24時間体制や各階処理なども行っている
ディスポーザーなど生ごみ処理もあったりする
・防災設備も充実している
・高層階(15階以上)はとても景色が良い:最大のメリット
(15階以上は余り変わらない)
・低層階は緑に取り囲まれ良い環境を享受できる
・高層階は近所の目を気にしなくてよい
・高層階は虫を気にする必要がない(蚊、ハエ、コキブリ等)
・高気密高断熱のため冬は暖かく、通風がよいため夏涼しい
《ディメリット》
・エレベーターに頼るため気の短い人は待ち時間が気になる
・風が強い日は高層階はかなり風が強くなる
洗濯物などは風が強い日は干せない
(禁止となっている場合もある)
・高層階は地震の揺れが低層階より大きい
・地震でエレベーターが止まると階段しか利用できなくなる
・外出するのがおっくうになる(なんとなく心理的に)
以上かなり述べましたが、結局メリットが多くなかなか良いようです。
しかし
《マクロな問題》
もう少しマクロな問題としては地域としての景観が一変してしまう事、
地域に根付いていたコミュニティが一変してしまう事
また突然の急な人口増加のため地域の受け入れが一変してしまう事
学校、幼稚園、保育園、あるいは様々な地域の施設において
対応しきれなくなってしまうといった問題もあるのです。
しかし高層階で課税負担が多くなるといっても、土地評価そのものは
変わらないですし、建築の評価のみ低層階に比べ若干増えたとしても、
裕福層の節税対策としてもタワーマンションはまだまだメリットが
大きいようです。