すまいにとって間取りや仕上げも大切ですが、 《住まいを取り巻く外部環境》
は人が暮らしてゆくうえでの基礎となるものです。
近年、不動産の売買では比較的、間取りやそのスペース大きさなどで坪○万円などで
推し量られ外構の計画などはほとんど考慮に入れられないで取引されているように見えます。
でも実際は街全体の雰囲気や街づくりの考えやマスタープランにおけるコンセプト
(街づくりの考え方)や外構計画などが実は不動産売却の決定要素となっていることが
ほとんどです。
例えば大正期に創られた 〈田園調布の街づくり〉 などはもともとは庶民が働く
生活を支える住環境を整備する目的に、鉄道(のちの東急電鉄)沿線開発をするため
関西の芦屋などを参考にして イギリスのガーデンシティ をモデルとして渋沢栄一公が
街づくりを行って作られたものがのちに日本の街のブランドとなりました。
それは、今の街づくり地区計画の考え方である公共概念の街づくりを行い大成功
となったものです。
1.迷惑な建築を作らない
2.障壁は街のことを考え瀟洒で美しく
3.3階以下とする
4.建蔽率50パーセント以下
5.建物の壁面線は道路の1/2以上とること
などを条件として、街区街路などは樹木を多くとることなどが取り決められました。
古都、京都では「向こう三軒両隣」として町屋が作られ素晴らしいコミュニティの
国際環境都市である古都京都の街が形成されました。
まちづくりにおいては地形、気候、風土、自然などがベースにあって、それから
人々の営みと歴史があって街づくりとコミュニティがつくられてゆきます。
不動産は動かないものですから、この街はどうあったら良いのか住む人々の
夢の実現としての将来像をイメージして計画されることが大切です。
それは個人の住宅から大規模な開発に至るまですべての基礎
となるものです。
街はお互いに少しづつ街をよくしてゆこうという気持ちの集合が
まち全体を素敵な街をつくってゆきます。
街づくりにおいて緑化は「植物は〈知性〉をもっている」(ステファノ・マンクーゾ
+アレッサンドラ・ヴィオラ著)にある地球上の多細胞生物の99%は植物が占めており、
動物は植物によって生かされている―にあるように、人にとって植物との共生の大切さを
知り、緑の環境づくり、四季を感じられる環境づくりが大切です。
街づくりにおいては緑の環境づくりとともに多世代が共生できる街、老人や子供たち
も安全・安心して暮らせる街づくりがもとめられます。
比較的大規模な集合住宅は、特定街区や地区計画から高さや容積の割増しなどなどをうけて
行政、自治体からの緩和や環境づくりの指導などもあって、良好な住まいの環境づくりが
作られていることが多くみられます。
広場や空地の提供によりお祭りや地域の集まり、フリーマーケットなどのイベントなど
コミュニティの形成に役立っている街づくりの例なども見られます。
それらが結局良い不動産として売りやすく買いたい住みたい不動産となっている
のです。