NHKのドラマで「プリンセスメゾン」の主人公 “沼越 幸”の家探しの物語ですが、
2回目―身の丈に合った物件― だったと思いますが、見学してみて何から何までとてもいい物件
ですが 『何か違う』と感じる場面がありました。
それで帰ってきて、彼女の木賃アパートのさわやかな風の中で寝そべっているシーンが印象的でした。
そのことで建築設計の立場からお部屋のプランについて少しお話をしてみたいと思います。
で、下図を見ていただけますか。
集合住宅を計画するとき敷地の形状などから概ね上記の二つのタイプがあります。
居室には建築基準法から有効採光が義務図けられていて、居室部分には床面積の
1/7の採光が必要です。その際多くの住戸を作るために「外廊下タイプ」つまり
玄関側に外部に面した廊下があって廊下側に窓を設けることが多いのです。
それに対して「内廊下タイプ」の玄関側は内部の共有廊下で外に面していないので
有効採光が取れません。したがってバルコニー側から有効採光を取ります。
つまり内廊下タイプはすべての部屋がメインのバルコニーに面しているため
プライバシーを確保することができ景色も見ることができます。
“幸”さんのマンション探しの中では環境の空気を感じとったり光や風といった
自然を感じながら暮らしていたいと潜在的に思っていることが読み取れます。
マンションのプランを見るとき、パンフレットに住戸の間口の広さ
をうたっているのを見かけますが、それはいかに外に面した開口窓の広さを
確保するかが居住性の住み心地度の基準にもなるということです。
もちろん限られたスペースの中で住戸内のインテリアを工夫したりして
住み心地の良いお部屋を作ることは十分可能です。
主人公 “幸”さんのように自然環境や季節感や人の日常の気配などを感じながら
暮らしたいということはとても大切なことだと思います。
お部屋を選ぶとき自分にとって何を大切にして住むかをはっきり目的
として、プランを読みとって、現地を見て感じて選ぶことが大事かと思います。