日本の界隈の古い町並みはでは風情があるが道幅がとても狭いことが多いですね。
建築基準法では建築に当たっては幅4M以上の道路に2M以上の接道が必要と定められています。
消防車や緊急車両が進入できる最少の幅安全上の必要性などから定められているものです。
市街地では木造密集地における防災上の観点からの対策が求められています。
阪神淡路大震災の折、特に神戸市長田地区において木造倒壊家屋の火災により地域がほぼ壊滅した例も
記憶に新しい例として挙げられます。震災では倒壊によりガスや漏電などで火災が発生し消防車などの
緊急車両も近づけず多くの方々がなくなりました。
以前の号では自然の地形による地震などの災害対策について述べました。
今回は街に住む問題点としての対策について、浪花の法善寺横丁の例を述べてみます。
平成14年大阪市旧中座が火災により焼失し法善寺横丁の商店街も火災の被害を受けました。
街の再生において商店街は道幅が2.7Mしかなく短冊状の個々の商店の建て替えはほぼ不可能でした。
道幅全体を4Mに拡幅するか建築をあきらめるかなどの選択を迫られましたが、人々の話し合いと
熱意により平成10年建築基準法改正の中で創設された「連坦建築物設計制度」を適用することで
法善寺横丁の街並みが再生されました。 (建築基準法第86条第2項)
現在は各自治体において密集市街地対策が進められ同制度の適用も多くなってきました。
法善寺横丁の同制度の適用において
○区域全体を一つの建築とみなして個々の建て替えにおいて下記の制限を設ける
1.新しく建てる建築は耐火建築物とする
2.容積は240%以内
3.高さ10M以下 3階以下とすること
4.3階はひっこめ(セットバック)バルコニーを設ける事
またなによりも権利関係者(地主及び借地権者)すべての合意がなされていること
などが適用の要件でした。
また付加事項として建築協定が結ばれ看板やデザインなどの統一などを取り決めたものです。
道路状の2.7Mや街並みは元の通り復活を遂げさらにきれいな雰囲気のある街並みが再生しました。
南海トラフ沖地震など震災対策が求められていますが、商店街や街の人々の話し合い連携により
今後 地域の絆を深め災害に強い 安心と安全の街づくり が求められています。