以前、海外不動産投資について書かせていただきましたが、また周囲で、きなくさい話しが未だに流れているのを聞きますので、新たに書かせていただきます。
気をつけなければならないリスクについて、前回いくつか書かせていただきました。
今回は、不動産の売却という観点からのリスクについて中心に書かせていただきます。
海外不動産のセミナーなどに行くと、よく聞くのは、この国は日本と違って人口が増加していて、人口ピラミッドを見ても若年層が多いから、伸びしろが大きく、不動産を高く売却できる見込みが高いですよ、というお話しです。
個人的には、具体的にどの国かにもよりますが、この前半部分の内容については、ほぼ間違いないと言える国々がいくつかあると思います。
ただ、後半部分の、国が発展するから不動産が高く売却できる、というのは、根拠が薄い話しだと思います。
国の発展と、個別の不動産の高値で売却できることは、全く別の話しだと考えたほうが良いと思います。
確かに、日本も、高度経済成長期には、経済の伸びに沿って不動産を転売して大金を手にした人たちがたくさんいるでしょう。
ただ、海外で文化が異なる場所の不動産であることや、業者がなぜ売りたいかの背景などを考えて、これとは状況が異なると思います。
海外で文化が異なる場所の不動産であることについては、いろんなお話しがありますのでそれぞれ調べていただければと思います。
不動産の世界においても、国によって、びっくりするような習慣の違いがあります。
それから業者は不動産を売りたいゆえに、いろんなことを言ってきます。
建物が完工したタイミングで売りましょう、我々もすべてサポートしますから、など。
この例で言うと、そんなに儲かる話しであるならば、業者が自ら所有したまま、売却するほうが良いはずですよね。
業者の中には、一般の日本人には不動産の適正価格が見えないことを利用して、高く売り、売った後は買う前とは態度が変わる業者もあり得るでしょう。
国の経済が発展するから高く売却できるとしても、誰に、どうやって、売却するのでしょうか。
楽観的には考えず、合理的に判断をしたほうが良いですね。
結論として、初めからキャピタルゲインのみを目的にしてインカムゲインを軽視することは、避けたほうが良いということが言えると思います。