不動産についていろいろなところで情報収集をしていると、自然と、海外の不動産についても話しを聞く機会が出てくるでしょう。
海外といってもいろいろありますが、個人的に特に多く耳に入ってくる地域は、北米、ヨーロッパ、そして東南アジア諸国です。
国それぞれに不動産の文化があり、例えばヨーロッパでは、日本と逆で、古い物件ほど価値があるという考え方が当たり前であったり、東南アジアでは、建物が建築される前の段階(いわゆるプリビルド)で購入し、建物が完成して価値が上がったタイミングで売却する投資方法が主流であったりします。
個人的には、海外不動産ということ自体は否定しませんし、ちゃんとした投資が確保されていれば、利益を生み出すこともできると思います。
しかし、特に気をつけなければならない点が何点かあります。
一つは、透明性です。日本では、物件や土地は法務局に登記することによって、自分の所有物であるということを第三者に対して主張できます。また、実際に入居者が付いていることなども、直接確認できたり、家賃の滞納などがあっても法的に対抗することも可能ではあるので、透明性は比較的高いと思います。
しかし、海外の場合は、悪く言えば詐欺業者も多いです。
例えば前述のプリビルド戦略で、建物を完工させることなく建築業者がトンズラしてしまったり。
別の人の所有物になっていたり。
実際に被害に遭った日本人は、自分が知るだけでも結構います。
もう一つは、レバレッジがかけにくいこと。
海外の不動産では、日本の不動産のようにフルローンという概念はなかなかありません。
多くても物件価格の7割ローンでしょう。
残りは現金で支払わなければならず、特にプリビルドの物件の場合は、完工するまでこの現金が浮いた状態になってしまいます。
しかも、最悪の場合は、業者にトンズラされ、現金が1円も返ってこないことも結構あります。
今回だけでは書ききれませんが、海外不動産には、見えないリスクがたくさんあります。
日本の不動産と同じとは考えず、むしろ水物の金融商品と同じと考えたほうが良いかもしれません。