離れた地域に所有する不動産につきものの問題
不動産を所有していると考えると、多くの場合、それは自分の持ち家だったり、現在住んでいるマンションやアパートの部屋を連想するかもしれません。しかし、地方の親戚から相続した物件や、結婚を機に離れてしまった持ち家など、ある程度の年齢になると自分が居住している地域とはだいぶ離れた場所の物件を所有する場面に遭遇することも珍しくありません。これらの不動産は空いたままにしておくと、まずそこまで足を運ぶのが大変だったり、固定資産税の関連事務に煩わされたりと、何かと面倒がつきものです。不動産の扱いに大きな変化が見込めない場合は、思い切って売却してしまうのも一つの手段です。では売却したい場合、どのようなルートで売却を検討すべきなのでしょうか。
住居に近い業者と、売却物件に近い業者、それぞれのポイント
物件を売却したい場合、基本的には不動産業者にお願いして仲介してもらい、買い手を探してもらうことになりますが、この時自宅に近い不動産業者と、売却したい物件に近い不動産業者のどちらにお願いするほうがいいのでしょうか?まず、自宅に近い業者の場合、現地確認する上での業者側の負担が大きい、土地勘のなさから査定の精度がおちてしまう、営業ネットワークが現地業者に比べて劣ってしまうといったネックがあります。そもそも売却が確定するまで仲介手数料は発生しないため、売買契約成立のためにかかる費用は原則業者の自腹となります。仲介手数料は売却物件の金額に比例しますが、地方の物件はそもそも相場が低いことがあるため、業者にとって実りが少なくなる場合があります。一方でそれらの問題は現地の業者だと概ね解消されます。しかし電話やメールだけのやりとりだと十分な意思の疎通が図れなかったり、結局打ち合わせなどで現地に何度も足を運ぶことになったりと、現地の業者にお願いする場合もそれなりのデメリットがあります。
結論として、売却は現地の業者に頼んだほうがいい
それらを踏まえた上でも、やはり物件の売却は現地の不動産業者にお願いすることをお勧めします。例えば自宅近くの大手不動産業者で、現地にも支店があるようでしたらいろいろな問題は解決されるかもしれませんが、不動産業者にはそれぞれテリトリーがあり、地域密着型の業者が誇るネットワークや集客力に勝るものはありません。現地の業者に依頼することが最もスムーズに売却を進めるための近道だと考えられます。しかしいずれにしても業者に丸投げすることは非現実的ですので、なるべく業者と面と向かって連携しながら売却に向けて動く必要があることは覚えておきましょう。