全国の9月度住宅総合指数(2010年平均=100)は、前年同月比2.4%増の107.9となり、22ヶ月連続して前年同月を上回りました。
内訳として住宅地は97.1、戸建住宅は101.7と伸び悩む結果ではありますが、マンションに関しては、2013年以降上昇し続け、130.9と43ヶ月連続して前年同月を上回る結果となりました。住宅地及び戸建住宅に関しては、地方別でもみても浮き沈みがあったり、減少したりと伸び悩みますが、マンションに関してはどの地方でも比較的上昇しています。今回は以下3圏の住宅不動産価格について見ていきましょう。
【南関東圏】(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)
9月の住宅総合指数は、前年同月比3.69%増の110.61となり22ヶ月連続して前年同月を上回りました。その内訳として、住宅地は101.62、戸建住宅は101.77と100のラインを行ったり来たりと伸び悩む結果ではありますが、マンションに関しては、2013年以降上昇し続け、128.07と43ヶ月連続して前年同月を上回る結果となりました。不動産価格の上昇は東京都内でみても、2013年以降からマンションの不動産価格は上昇しています。引き続き上昇すると考えられます。また、戸建住宅は不動産価格が低迷している一方で、今年に入り住宅地の不動産価格は徐々に上昇傾向をみせます。オリンピック効果かもしれませんが、今後の動向に注目です。
【名古屋圏】
9月の住宅総合指数は、前年同月比-1.37%減の99.25となり、4ヶ月ぶりに前年同月を下回りました。その内訳として、住宅地は94.76、戸建住宅は94.47、マンションは129.49という結果になりました。住宅地は伸び悩みますが、マンションに関しては、2015年ごろから急速に伸び続け、全国的にも高い確率で上昇しています。
この急速に上昇している理由の一つは、名古屋駅から栄にかけてのエリア及び豊田市などの商業中心地の再開発や、春日井市や長久手市など名古屋市周辺のベッドタウンの都市開発によるものだと考えます。
【京阪神圏】(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県)
9月の住宅総合指数は、前年同月比-0.65%減の106.76となり、前年同月を下回りました。その内訳として、住宅地は99.15、戸建住宅は97.0と4ヶ月ぶりに前年同月を下回りました。マンションは131.47となり、マンションは徐々に上昇していますが、住宅地に関しては浮き沈みが激しく、住宅総合指数もそれに伴い伸び悩む結果となりました。
京阪神圏では2013年後期以降、マンションの不動産価格が上昇し、マンションの着工戸数自体も増えてきています。特に、大阪府では、大阪駅周辺の再開発等の再開発が進んだ2014年以降、マンション不動産価格が上昇しており、今後も引き続き上昇していくでしょう。
全国的にも都市開発が進み、着工件数はやはり分譲住宅がゆるやかに上昇し、その中でもマンション着工の伸びがここ数年で、ほかの利用別住宅と比較して圧倒的に上昇しています。それに伴い、マンション不動産価格も上昇してきています。今後も人気エリアを中心に価格上昇が続くと思われますが、それとは反対に戸数が増えてくるにつれて、空き部屋問題も増え、価格減少してくるマンションも出えてくるでしょう。都内中心に、都市再開発エリアの不動産価格の動向に来年も注目です。