金融緩和の煽りを受け、マイナス金利の導入以来、民間銀行がお金を日銀に預けると、手数料を取られ、利益を得ることが難しい状況となり、損失を補うためにも日銀に資金を預けず、住宅ローンなどで積極的にお金を貸し出そうとする策をとる傾向が最近では多く見受けられます。株価取引市場の低下しつつある中で、比例関係にあるローン金利の低下も期待でき、長期金利を指標にしている住宅ローンを組む多くは、低金利が期待できると考えられました。しかし、ここ最近では、追加金融政策金利の上昇が懸念され始めたため、マイナス金利の影響で各最低基準を更新してきた固定型の住宅ローン金利は今月、5か月ぶりに上昇しました。10月も引き続き上昇する可能性が指摘されています。国土交通省が発表した2016年の基準地価を見ても不動産業界もだんだん右肩下がりになりつつあることが分かります。
国土交通省が9月に発表した、今年7月1日時点の基準地価は商業地全体で9年ぶりに上昇しました。その中でも、札幌、仙台、広島、福岡の地方中核都市4市の商業地上昇率は6.7%となり、東京、大阪、名古屋の3大都市圏2.9%より高い数値となりました。一方、住宅地は25年連続で下落がしていますが、下げ幅は7年連続縮めてきており、徐々に下げ幅を縮めていくと思われます。商業地が値上がりしているのは、マイナス金利や海外からの訪日客が増加していこと等が背景にあると思われます。東京都心部では、その影響から価格が上昇している状況です。その一方で収益性が高く、出遅れ感のある地方都市に投資資金が流入している状態です。そのため、地方都市は助成金やふるさと納税などでPR活動を行い、地域の活性を図っています。
最近では4年後の東京オリンピックを控え、東京都心を中心とした海外からの顧客導入を計らい、日本全体がますます盛り上がっていくたと考えられます。しかしその一方で、豊洲市場の土壌汚染問題が発生し、風評被害の影響を受け、豊洲エリアやその周辺の物件は価格が急落すると思われます。
住宅ローンを考えている方は「今のうちにローンを組めば得だ」と考えて即決するよりも、現状と将来を見据えたで組むことを勧めます。