有効活用できていない土地を、金の卵を産むニワトリに換えようと計画したとします。この場合、賃貸住宅を建設して家賃収入を得ようというのは、一般的な不動産関係業者がよく営業してくる手法です。しかし、今の時代に賃貸物件を建設するのは、ちょっとリスクが高いといえるかもしれません。その理由をみてみましょう。
都心部から離れていく人々
特に都心部など首都圏の場合、毎年、賃貸物件が数万戸増えているのが現状です。これだけ超高齢化社会と騒がれながらも、なぜ首都圏では賃貸物件を作り続けるのかといえば、主要都市部への人口集中化が続いているからです。ただ、一昔前によく「夢はマイホーム」と言っていたように、都心から郊外へ出て住まいを構える人も増えてきました。職場は都心部にありますが、暮らそうとするには賃料が高いため、多少通勤時間がかかっても少し離れた郊外で、手が届く程度の住宅を構える、という訳です。しかし、しばらく前からその動きにも変化がみられています。
マイホームは、もはや夢ではない
どういうことかといえば、もはや無理して高い住宅ローンを組んでマイホームを建てるより、交通の便が良い都心部に近いところで、分譲マンションを購入するのです。賃貸物件は、いつまで家賃を払ってもその部屋が自分のものになる訳ではありません。しかし分譲マンションなら、住宅ローンを組んでマンションの一室を購入するため、毎月の賃料は我が家への投資となっている訳です。どうせ同じような家賃を払うのであれば、やはり最終的には自分のものになった方が良い、というのは当たり前の話ですよね。ですから、土地を有効活用するのに建物を建てて家賃収入を得ようと考えているなら、断然分譲マンションを建てた方が良いといえます。ただ、ここ数年でその動きにも変化がみられています。というのも、結婚する人口の減少により、賃貸物件のままでも良い、という考え方の人が増えているのです。或いは、一人暮らしであっても分譲マンションを購入する人も居ますが、その場合、高額な部屋は購入できないため、手の届く範囲で購入できる分譲マンションが人気があります。ということは、土地活用のために分譲マンションを建てようと計画したとしても、場所と、建てる規模によっては全く活用にならない事も出てくるのです。