不動産、特に土地については、ただ所有しているだけでは税金だけを払うことになり、デメリットばかりだといえます。ですから土地を所有しているオーナーは、何がなんでもその土地を活用する方法を探すことさえあるのです。しかし、焦って探せば日頃なら見抜ける罠も見落としてしまいがちです。そんな事例をみてみましょう。
一括借り上げ方式
最初に一括借り上げ方式を少し噛み砕くと、ようは「家賃保証」があるということです。賃貸物件経営における家賃収入というのは、当然入居者が居なければ成り立ちません。ですから、賃貸物件を建設する際には、ある程度の入居率が保てることが前提となるものです。しかし絶対に空室にはならないということは、誰にも確証することは出来ません。そこで、賃貸物件を建設した会社、或いはそれを持ちかけた会社自体が、その賃貸物件を借り上げてしまい、ある一定の率で入居した場合の家賃収入と同等の額を、オーナーに支払うというシステムを考え出したのです。
一括借り上げ方式は、よく比較検討して！
たいてい、遊んでいる土地に賃貸物件を建てませんか？と営業をかけてくるのは、住宅メーカーや建設会社です。もちろん、そのような営業がかかるということは、その土地に賃貸物件を建てることである程度の収入や利益を見込めるためだといえます。しかし、一括借り上げ方式、つまり家賃保証を提案してくるということは、逆をいえば、そのような保障をしなければオーナーが首を縦に振らない可能性があるような物件である、ということがいえるかもしれません。つまり、通常の賃貸物件経営だと空室が多くなってしまい、オーナーにこのぐらいのメリットが出ると説明した数値が確保できない可能性がある、ということです。逆に、この方式で契約すれば当面の家賃収入は保障されるので、建設費用に関してオーナーがあまり目を光らせないかもしれません。ということは、提案してきた会社の息がかかった業者に、通常よりも高額な費用をかけて建設を受注させることが出来る、ということになります。結果的に余分な出費となるのは明白です。ではデメリットばかりかといえばそうではなく、一括借り上げをしてもらえば、その後の空室管理やメンテナンスなどは業者に任せることが出来ますから、これは大きなメリットといえます。
