物件選びにおいて、物件そのものも重要ですが、周囲の自然環境を重視する方も多いのではないでしょうか。自然環境を考えて、山側の落ち着いた物件を選ぶ人、一年を通じて明るい雰囲気の海側の物件を選ぶ人など好みが分かれるところです。
こうした物件は、自然に親しめるというメリットがある反面、デメリットもあります。山の手、海の手の物件に潜むリスクを考えてみました。
1.山の手の物件に潜むリスク
大都市近郊の山の手というのは、坂があって高級住宅地といったイメージです。そうしたイメージがあって、物件の価格は高い場合が多いと思います。
丘陵や山の近くは、地盤が堅固なため、建物の基礎が小さくても安心な面があります。注意したいのは崖や谷に近い物件です。大雨の場合に土砂が流出してきたり、崖崩れが生じる危険があります。
危険な地域は、行政機関が法律に基づいて予め明示している場合がありますが、物件を買った時には危険な地区と指定されていなくても、災害などがあって見直しがあれば、後で指定される場合がありますし、そうなると資産価値が低くなってしまいます。
2.海の手の物件に潜むリスク
海の手の地区は、山の手のような高級なイメージではなく、どちらかと言えば庶民的な街が多いのではないでしょうか。そうしたイメージもあって物件の価格は高くない場合が多いと思います。
海辺に近いと、潮風で柱や壁が塩害を受ける場合があります。また、台風などの時は強風にさらされることが多いです。山の手の物件と比べると地盤が堅固な場合が少なく、地震の揺れや液状化による家屋の損傷を受けやすいことがあると思います。また、高潮や津波による被害も想定する必要があるでしょう。
3.どちらがいいのか
地盤の強さの面では、地盤が堅固なことが多い山の手がお勧めかもしれません。特に戸建て住宅では、建物の基礎を大きくするといっても予算面や土地の面で限度がありますので、山の手がいいでしょう。
地盤の強さの面で劣るケースが多い海の手ですが、進んだ技術が生かされている物件では、生活の利便性その他の面でお勧めできるものがあります。行政主導で大手の民間開発会社が都市計画に基づいて開発した場合、基礎の耐震性を高めるための最新の技術が導入されていたり、耐震性だけでなく免震性に対する措置が講じられている物件があります。そうした意味で物件を選ぶなら戸建てより、マンションのような集合住宅のほうがいいかもしれません。
4.まとめ
山の手、海の手のいずれの物件も良い面と良くない面があります。それぞれの特徴を知り、御自身やご家族のライフスタイルに合った物件を選ぶようにするといいでしょう。