平成26年4月の消費税8%への増税に加え、近い将来に消費税10%への引き上げが決まっています。消費税アップによる住宅販売の落ち込みをカバーするために、政府はさまざまな対策を講じていますが、今回ご紹介する「すまい給付金」も、そのうちの1つです。制度の仕組みを上手に使えば、マイホーム取得をお考えの方に役立つと思います。

1.すまい給付金とは

すまい給付金は、マイホームを取得しようとする人を応援する目的で創設された制度です。新築だけでなく、一定の要件を満たす中古住宅も対象となっています。

給付金の対象となる取引は、住宅メーカーや不動産仲介業者などの事業者を通じて行われたものが対象です。知り合いから譲り受けるなど、個人間売買については対象外ですので注意が必要です。

2.給付の条件と手続きをチェック

給付の条件と手続きを、簡単にご紹介します。

2-1.給付の条件

給付の条件は次に示すように、申請する人に関する条件と、取得しようとしている物件に関する条件があります。

・収入に関する要件

・物件の面積に関する要件

・住宅性能に関する要件、など

住宅ローン無しの場合、上記に加えて次の要件が付け加えられます。

・住宅取得者の年齢要件

住宅性能に関する要件とは、例えば公的機関から優良住宅の認証を受けている、住宅金融支援機構が定める所定の技術基準を満たすことが、検査によって確認されている、といった内容になります。

2-2.手続き

申請期限までに、所定の申請窓口に、審査に必要な書類を提出する形で手続きします。

・申請期限:基本的に「住宅の引き渡しから1年以内

・申請窓口:書類持参の場合、47都道府県で公益法人や社団法人から建築検査機関や民間住宅販売会社などさまざまです。詳しくは「すまい給付金」のウェブサイトで確認するといいでしょう。郵送の場合は、「〒115-8691 赤羽郵便局 私書箱38号 すまい給付金申請係」となっています。

・審査に必要な書類:詳しい内容は、「すまい給付金」のウェブサイトで確認するといいでしょう。新築で住宅ローン有りの場合、基本的には次のものが必要となるようです。

①:住民票の写し

②:不動産登記における建物の登記事項証明書、謄本

③:個人住民税の課税証明書

④:工事請負契約書、又は不動産売買契約書

⑤:住宅ローンの金銭消費貸借契約書

⑥:振込先口座が確認できる書類(通帳の写しなど)

⑦:検査実施が確認できる⑦-1~⑦-3のいずれか1点

⑦-1:住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書

⑦-2:建設住宅性能評価書

⑦-3:住宅瑕疵担保責任保険法人検査実施確認書

3.いくらぐらい貰える?

「すまい給付金」のウェブサイトにシミュレーターがありますので、条件を入力することで給付金額を確認できます。消費税率が8%の段階では、年収510万円までの方が対象で、給付金額は10万円から30万円、消費税率が10%の段階では、年収775万円までの方が対象で、給付金額は10万円から50万円となっています。

4.まとめ

マイホーム取得を促進するための公的制度は、住宅取得控除がよく知られています。今回ご紹介した「すまい給付金」は、住宅取得控除のように納めた税金の範囲の還付ではなく、納税に関係なく、申請して認可されれば、お金をくれるという制度です。書類集めが少し億劫かもしれませんが、こうした制度は有効に活用したほうがいいと思います。

 
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