最近の低金利を利用して、変動金利を利用した住宅ローンで毎月の返済をされている方は多いのではないでしょうか。金利について、変動金利と固定金利の違いはなんとなく知っているとしても、それ以外については、あまりご存じないという方向けに、金利と返済方法を解説します。

1.市場金利は種類がある

市場金利には次のようにいくつかの種類があります。

・変動金利

・固定金利

・短期金利

・長期金利

1-1.変動金利

変動金利は、現時点の金利が将来のある時点で見直しになることが予定されている金利です。現時点より低い金利になる場合があれば、高い金利となる場合もあります。現時点を基準に上振れや下振れするので、この部分はリスクとして、ローン利用者が負担することになります。

1-2.固定金利

返済期間の間は、金利が一定ということで人気です。金利の変動によるリスクを、貸し手が負担するという考えを特徴に挙げることができます。固定金利は貸し手が金利変動リスクを負担する分、変動金利より割高になります。

1-3.短期金利

返済期間が1年を超えないクレジットローンなどの金利は、短期金利が基準になります。「短期」とは、「1年以内に返す必要がある」という意味で使われることが多いです。短期金利は、金融機関の間で資金を融通し合う場合の利子率である、「短期プライムレート」が基準となるようです。

1-4.長期金利

返済期間が1年を超えて、複数年に及ぶ住宅ローンなどの金利は、長期金利が基準になります。「長期」とは、「1年を超えた期限までに返す必要がある」という意味で使われることが多いです。期間として、「長期」という言葉は「10年以内」を指す場合が多いです。

2.住宅ローンに関係するのは?

住宅ローンに関係するのは、短期金利と長期金利のどちらでしょうか。「住宅ローンを1年以内に返す」というケースは、そう多くないと考えられます。よって、住宅ローンに関係するのは長期金利と言えそうですね。

住宅ローンのように、返済期間が1年を超えるローンでは、金融機関がローン金利を決める際の参考とするのは、「10年物の長期国債の利子率」と言われています。

3.返済方法の内容はご存じ?

「住宅ローンの金利は知っているけど、返済方法はよくわからない」という方、案外多いかもしれません。多くの人は「元利均等返済」の返済方法となっていると思います。

3-1.元利均等返済と元金均等返済

元利均等償還の「元利」とはローン元金と利息の合計金額という意味です。「均等」とは返済期間の全期間にわたり、一定という意味になります。これらの意味から、返済期間と返済額の関係を示すと、次の図のようになります。

元利均等償還以外の返済方法で、ローンを申し込む際に選択できるのが、「元金均等償還」という返済方法です。「元金」が「均等」となる返済方法の意味は、返済される「元金」が返済期間の全期間にわたり、一定という意味になります。返済期間と返済額の関係を示すと、次の図のようになります。

3-2.メリットとデメリットを考える

元利均等のメリットは、次の点です。

・元金と利息を合わせた返済額が一定のため、返済計画が立てやすくなる

・返済当初の負担が元金均等の場合より軽い

デメリットも、挙げてみましょう。

・元金均等の場合と比べて、返済期間が長くなる

・返済期間の長期化により、元金均等の場合と比べて金利負担が重くなり、総返済金額は多くなる

これに対して、元金均等のメリットは、次の点ですね。

・返済が進むにつれて、返済負担が軽くなる

・元利均等の場合と比べて、返済期間を短くできる

・元金の早期返済により、元利均等の場合と比べて金利負担が軽くなり、総返済金額は少なくなる

デメリットは、次の点かもしれません。

・返済当初の負担が重くなる

4.最後に

金利と返済方法について、何となくお分かりいただけたでしょうか。金融機関にとって、望ましいのは、借入期間が長い「元利均等」、金利変動のリスクを借り手が負担する性格が強い「変動金利」の住宅ローンです。現行が「貸し手有利」の住宅ローンとなっている場合、必要に応じて「借り手有利」となるように、借り換えなどを検討してみてはいかがでしょう。

 
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