住宅の取得をお考えの方、すでに取得済みで毎月のローン返済をお悩みの方、多くの人が気になるのが、今後の金利の動向ではないでしょうか。昨年は「マイナス金利政策」なる政策も導入されて話題になりました。この低金利、今後も続くのでしょうか。
1.そもそも金利とは何?
お金を借りると金利が発生します。金利は簡単に言えば、必要なお金を工面する際のレンタル料です。これは、取引が物々交換ではなく、お金(貨幣)を通じて行われる以上、取引にお金が必要となるので、取引の拡大に伴って増加する費用と考えられます。
別の考え方をすれば、金利を支払うことで、現時点で持っているお金以上の買い物が出来たり、欲しい物をすぐ買えたりできるといった利便性への対価と言えそうです。
取引には、「物と物の交換」、「物とお金の交換」、「お金とお金の交換」の3つがあると思います。このうちの「お金とお金の交換」のことを金融取引といい、「金利は金融取引の中心的な役割を果たす」と言えるかもしれません。
2.どのように決まる?
金利はどのように決まるのでしょうか。実情として、「お金を借りたい人」と「お金を貸したい人」の両者の思惑が一致する場合に決まると思われます。「お金を借りたい人」と「お金を貸したい人」がいる場所を「市場」といいます。よって、より一般的な言い方をすれば「市場で決まる」と言えそうです。
2-1.市場で決まるとはどういうこと?
「お金を借りたい人」が「お金を貸したい人」より多ければどうでしょう。金利は高くなると思いますね。逆に「お金を貸したい人」が「お金を借りたい人」より多ければどうでしょう。金利は低くなりますね。
景気が良い時は、取引が活発に成って「お金を借りたい人」が「お金を貸したい人」より多くなります。この結果、金利は高くなると思います。これに対して不景気の場合はどうでしょう。「お金を借りたい人」が「お金を貸したい人」より少なくなります。この結果、金利は低くなると予想できます。
2-2.政府の政策と為替が関係する
不景気が続くと、政府によって「金融緩和」という政策が実行されます。この「金融緩和」とは、「お金を貸したい人」を「お金を借りたい人」より増やそうとする政策です。この結果、金利は低くなる方向に誘導されるでしょう。
さらに、お金は国境を越えて取引されます。その場合は金利が低い国から、高い国に「投資」という形で、お金が流れます。結果として、金利が低い国の為替レートは減価し、金利が高い国の為替レートは増価します。金利が高い国は「投資」が増えて、金利が低い国は「輸出」が増えて、お互いに景気が良くなると考えられます。
3.今後はどうなる?
現在の低金利は、今後も続くのでしょうか。
3-1.国内の事情
固定金利は過去5年で見ると、金融緩和政策の継続によって低下を続けてきました。しかし、直近の数ヶ月で見れば、その効果は徐々に小さくなってきている感じがします。2016年2月に導入された「マイナス金利」でさらに金利を押し下げることになりましたが、その効果は約半年間くらいで、同年9月以降から、金利は上昇する傾向が見られます。
今後についてですが、現在の金融緩和政策にやや手詰まり感も見られ、さらなる引き下げは、期待が薄いかもしれません。また、2020年の東京五輪に向けて、建設投資がピークを迎えることから、金利が上昇に転じる可能性は残っています。
3-2.国外の事情
米ドルとの関係を見ると、米国経済が回復してきており、米国国内の金利は上昇する傾向にあります。こうしたことから投資家は、資金運用を今後も金利の上昇が期待できる、米ドルで運用する流れとなっています。
ただし、米国大統領が為替レートについて色々と言及していて、現在の流れが今後も維持されるかどうかは不透明な部分があります。
4.最後に