こんにちは!
不動産鑑定士、不動産投資コンサルタントの浅井佐知子です。
皆様は、「相続案件」が相場よりも安くなりやすいのはなぜか知っていますか?
相続税は、相続の開始から10ヶ月以内に現金による一括払いが原則です。
したがってそれまでに現金が用意できない場合は、多少安くなっても、不動産を売却する必要があります。
なので、相続案件は相場よりも安くなる場合があるのです。
このような不動産のことを「売り急ぎ物件」と呼んでいます。
売り急ぎ物件を買うには、現金購入が有利です。
また買い付けから決済までスピーディーを求められるため、業者さんが購入する場合が多いです。
10ヶ月以内に支払わなければならないので、「ローン特約条項」が付かない業者さんのほうが有利なのです。
「ローン特約条項」というのは、買主が金融機関から予定していた融資(ローン)が実行されない場合、
ペナルティ無しで解約することができる条項です。
個人の方もスピードさえ確保できれば、とっても安く買うことができます。
先日ある方から、「どうしても欲しい不動産がある」という相談を受けました。
その物件は都内の「超一等地」に存する物件でした。
総額は高いけれど、場所を考えると確かに安いのです。
その理由は、やはり「相続税を支払うために売却する」というものでした。
10ヶ月を過ぎてしまうと、税金の延滞利息がかかりますが、場所が良すぎるため、利息も高い高い(笑)
売主にとっては失敗は許されません。
一発勝負です。
もちろん、「ローン特約条項なし!」
秘密裏に売り出しましたが、場所が良いので、続々買い付け申し込みが入ったようです。
買い付けを入れた方は、ほぼすべて、業者さんでした。
唯一、私に相談された方だけが個人のお客様。
さて、その結果はどうなったと思いますか?
結局私のお客様は、ハードルが高いということで買い付けを取り下げました。
そして、業者さんの中で、一番条件が良い方が買われました。
「相場よりも安い不動産」
言うがやすし、買うはむずかし。
「個人の方が買うには、やっぱりハードルが高い!」
と感じた一件でした。
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不動産鑑定士、不動産投資コンサルタント 浅井佐知子