土地活用を考えるうえで、大事なことは何を目的とするものなのか、その目的をきちんと整理することなのかもしれません。
土地活用や投資商品の営業でよくよく使われるのが節税を目的とするものです。
土地活用のアパート等の貸家建築であれば相続税の建物評価額と投資金額との乖離部分、並びに貸家建付地評価として概ね土地の相続税評価額が20%減額という節税効果が得られることとなります。
また、船舶や航空機のオペレーティングリースでは短期の減価償却費の計算が認められることから購入後の早い時期に多額の損金計上が可能となり、一時的な節税効果が得られることとなります。
とはいうものの税金は圧縮できるものの節税効果を得るためにはお金を使わなければなりません。
お金を使って自分の土地に貸家を建てる、節税型の投資商品を購入する、等々、当たり前といえば当たり前の話ですがお金を使うのが前提となります。
そう考えると例えばの話、自分の土地に1億円を使ってアパートを建てた、この場合、概ね、建物建築資金の5割から6割程度の相続税評価額の減額効果が得られる見込みとなります。
建物だけで約5500万円の評価減、相続税の超過累進税率30%の方の場合で、約1700万円弱の相続税の減額効果となって現れてきます。
この効果を資産防衛とばかりに将来の市場性を無視したアパート計画も提案している建設会社も見受けられます。
安易な資産防衛のささやきとアパートの模型を見せられることにより借入リスクや空室リスクの考えは跡形もなく消え去り夢と希望で建ててしまったアパートが20年後には借金の返済すらおぼつかない状態となってしまうことも多々あります。
また、子供たちへの遺産分割や納税方法も考えずに土地活用を次から次へと行った結果
いざ、相続となったときに相続税を払うために売価できる適当な不動産が残っていなかったということも考えられます。
中古の貸家は条件がそこそこ良ければ価格面で欲を張らなければ売却処分できそうですが
空室だらけの貸家の売却は難しいことでしょう、それこそ将来の空き家候補となりえてしまいます。
このように整理すると土地活用でも投資商品でもまずは、何を目的とするかをよくよく考えることが大事です。
そして、節税というメリットはメリットとして並行して将来の市場性のリスクや金利のリスクを考えて、さらには分割、納税のことを視野にいれて検討することが大事です。
何のために膨大な資金を使うのか、そして将来の返済のリスクはどの程度か、メリットとリスクを量りにかけることも重要です。
まずは、市場分析、自己所有不動産の現状分析から冷静に判断していきましょう。