近年、問題化されている空き家問題
その問題には、さまざまな原因が考えられます。
一番の大きな原因は人口が減少してきているなか、相も変わらずの新設住宅着工戸数100万戸が景気動向の指標となっていることでしょう。
新設住宅が、毎年、毎年、安定して供給されればされるほど、空き家が増えてくるのは当たり前といえば、当たり前、そうです、いたって当たり前のお話です。
需要に比べて供給が過大となっている状況が何年も続いています。
各民間事業の自主規制は期待できないでしょうから、行政が総量規制に踏み込めるか否かがポイントとなるのではないでしょうか?
新しい住宅は増やさずに既存の住宅を不要になった人から必要な人へ安心して回転させていく市場の構築も必要となるでしょう。
というものの、中古市場を整備したとしても、売るに売れない不人気の空き家もたくさん存在します。
実は、この、売りたくても売れない、貸したくても貸せない、解決することが非常に困難な空き家が一番の問題ではあるのですが、ここはひとまず、中古住宅市場のお話に戻らさせていただきます。
中古住宅の購入にあたっては、その住宅が人が使っていたものだけに、様々な不安が生じることとなります。
その不安な事項の一番が、どのくらい、即ち、あと何年くらい住めるのだろうかということなのだそうです。
確かに、中古マンションの広告を見ていても、港区等の場所のいいところですと、築30年経過していても30㎡台の物件で3000万円を超えてきたりします。
都心に近くて駅近くで環境もよくて申し分のない物件でも築30年で3000万円のマンションの購入になると、確かにあと何年間、確実に安心して住めるのかが気になるところです。
何よりも、立地による条件が購入動機の第一のようですが、それにしてもあと何年安心して暮らせるか、その保証を何をもって示してもらえるのか、
安心基準を不動産流通機構で何か示せるものが構築されるといいのですが・・・
とにかく、安心して中古住宅を選ぶことのできる品質保証の開示できる方策が中古市場の活性化の鍵を握っているように感じます。
中古市場が活性化することによって、自然と空き家に減少に繋がってはきますが、同時に新設住宅は売りにくくなってきます。
中古住宅の市場の活性化と新設住宅の供給との兼ね合いも同時に考えなければならなさそうです。
新設住宅の着工戸数の減少が及ぼす景気への影響は?雇用者数の影響は?
代わりに中古住宅のリフォーム事業の需要は増えてきそうです。
このあたりの数字の見込は行政に任せるほかは無さそうですが・・・
とにもかくにも、古い不動産業界の概念、いわゆる騙されているのではといった不安を生じさせるものから、古くても安心して選ぶことのできる中古市場の整備、例えば某ハウスメーカが昔から取り組んでいる中古で売買する時には保証書を提出している等の対応のような住宅性能保証の開示システムが望まれるところです。