不動産投資の基本は、賃貸需要が高いところに狙いを定めることです。その際のポイントは、人口が増加しているだけでなく、転出入による新陳代謝が活発な立地を選ぶことであり、東京23区が最適地と言えるでしょう。

東京カンテイが発表した2016年の東京23区全体のマンション化率(世帯数に占める分譲マンション比率)は31.1%で全国トップですが、区別にみると転出入による新陳代謝が活発で定住率が低い千代田区83.1%、中央区81.9%、港区75.8%、渋谷区51.1%、新宿区50.3%、文京区49.0%、江東区46.5%などは突出してマンション比率が高いことがわかります。

新築マンション用地が不足するなかでは、上記地域の中古マンションが投資対象の中心となりますが、平均築年数が22~23年の物件をどういう基準で選べば良いでしょうか。

一つの考え方として、不動産専門家の間では「マンションは築7~8年がベター」と言われているようです。確かに、本当に良い建物かどうかの判断は新築では到底分かり得ません。

これが中古であれば春夏秋冬を経て構造躯体や遮音性、管理体制などのみならず、住民間のトラブルやコミュニティ形成の状況などが確認でき、概ね7~8年経過すればある程度問題が出尽くしたうえで安定した物件を選べるメリットがあるようです。

ただ、賃貸需要が高くマンション化率が高い23区内の有望区で、7~8年の築浅物件を購入するには高額になることを覚悟する必要がありそうです。

マンションマーケット調べの23区別の平均築年数と平均㎡単価をみると、渋谷区27.6年(86.5万円)、目黒区27.1年(77.7万円)、港区26.7年(94.0万円)、新宿区24.6年(72.4万円)、文京区24.5年(73.6万円)などは平均築年数を大きく上回っていますが、平均㎡単価も高額です。

23区中の築年数トップは渋谷区ですが、平均㎡単価は3位であり、平均㎡単価トップの港区も築年数3位と、築年数が古くても立地で人気があることを示しています。

一方、築年数が浅い順では中央区18.7年(78.3万円)、北区19.4年(54.3万円)、墨田区19.5年 (58.2万円)、江戸川区19.7年(45.4万円)と20年を切るほか、江東区21.0年(58.5万円)、千代田区21.9年(92.2万円)となっています。

築年数が浅いにもかかわらず、平均㎡単価が安い北区、墨田区、江戸川区などは賃貸需要が高いという条件を満たしていないために評価が低いと考えられ、購入を検討する際には物件の精査が重要となるでしょう。

 
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