住まいの売却を決め、不動産会社と契約を結び、売り出し価格を決めたら、いよいよ販売活動がスタートします。不動産会社は「指定流通機構(レインズ)」に登録して、登録している全国の不動産会社と情報を共有したり、見込み客に声をかけたり、広告媒体に掲載したり、オープンハウスや内覧会を開催して、集客活動を行います。今回は、オープンハウスを行う場合の注意点、メリット、デメリットを紹介します。

●住みながらのオープンハウスは可能?

オープンハウスは、誰でも気軽に予約なしで住まいの内覧ができます。オープンハウスの開催が決まると、不動産会社は、多くの人が訪れるようにチラシや広告媒体に掲載します。居住者が転居して空き家になった状態で実施することが多いですが、居住中に行う場合もあります。不動産会社の営業スタッフが丸一日、家に常駐して対応してくれるので、売り主は家にいてもいいですし、外出してもかまいません。ただし、すでに退去して空き家になった状態でオープンハウスを行う場合は「すぐに住める」状態であることが多く、売却活動がスムーズになります。

売り主が家にいる場合、内覧者にとってはどんな人が住んでいるかがわかるので安心です。感じがよく清潔感がある人が住んでいるとわかると家自体のイメージがアップします。もちろん、売り主にとっても、事前に購入希望者と会えるのは安心です。ただし、夫婦と子どもとペットがいてワイワイガヤガヤ、という状態だと、同じ家族構成の場合はともかく、生活感が出るだけでなく、家が手狭に見えてしまうため、できるだけ避けたいもの。

売り主が外出をしている場合でも、短時間でも現場に立ち寄るといいでしょう。現場にいる不動産会社の担当者と話して「お疲れ様です。どうぞよろしくお願いします」とねぎらいの声をかけることで、担当者も「頑張って売らなければ」と気合が入ることが多々あります。
●住みながらオープンハウスを行う際の注意点
空き家の状態のオープンハウスと、居住中のオープンハウスでは、内覧者にとっての印象がかなり違います。居住しながらのオープンハウスは、実際に生活するときの広さや動線などをふくめてイメージがしやすい反面、良くも悪くも、住んでいる人の個性や生活感が出てしまいます。
オープンハウスを開催した知り合いがいます。不動産会社の担当者から「普段のままでかまいません」と言われて、掃除をする余裕もなく、当日を迎えたところ、来訪者から「壁紙が汚れている、キッチンが傷んでいる」とその場で言われたそうです。結局は売却することができましたが、それを理由に価格をかなり下げることになりました。「オープンハウスの前に、キッチンをピカピカに磨いておけば良かった」「ハウスクリーニングを頼めば良かった」と話していました。室内はできるだけ片付けて、玄関、水回りなど目立つ箇所は特に注意して掃除をし、室内の換気をしておきましょう。ちょっとした配慮で、印象は全く違います。
●近所の人に売却を知られたくない場合は?
オープンハウスを行う場合は、来訪者が迷わないようノボリや立て看板などを設置するため、家を売却することが近所の人にもわかってしまいます。近所の人が近所に子どもや親を住まわせたい、という目的で「中を見たい」と訪れる場合もあります。家を売ることを近所の人に知られたくない人には向きません。そういう場合は、予約制内覧会にしてもらいましょう。
オープンハウスを開催する上での費用の負担はありません。広告料やノボリ、立て看板の設置費用などは、不動産会社が負担します。オープンハウスで家を見てもらうことは、売却活動の大きな一歩です。立ち会った場合、物件に対する反応や購入意欲をその場で見て感じることができます。オープンハウス終了後には不動産会社から報告書が提出されるので、内容を見てよく検討しましょう。熱心な不動産会社であれば、報告書を持参して、今後の販売活動について提案や助言を与えてくれるはずです。


 
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