不動産を売却する場合、査定額は別として、住宅ローンの残債を返したい、買い替えたい、手元に現金がほしい、できるだけ損をしたくないなど、自分が売りたい希望価格がありますね。
不動産を売却する場合、売却価格が丸々入るわけではありません。売却する経費、税金がかかります。どんな費用がいくらかかるのか、気になるところです。
■想像以上に高い?仲介手数料
不動産の売却を不動産会社・仲介会社に依頼して契約が成立した場合、仲介会社に手数料(仲介手数料)を支払います。仲介手数料の額は、宅地建物取引業法により上限が決められています。
仲介手数料は、売買価格が400万円を超える場合、売却価格の3.24%+64,800円(消費税込)を上限として、不動産会社が決めることができます。(売買価格400万円までは、仲介手数料の率が異なり、最大5.4%になります。)
例えば、1000万円で不動産を売却した場合の仲介手数料は、1000万円×0.0324+64,800円=38万8800円(消費税込)になり、2000万円で不動産を売却した場合の仲介手数料は、2000万円×0.0324+64,800円=712,800円(消費税込)になります。消費税が8%の場合の計算で、消費税が増税された場合はもっと高くなります。
仲介手数料の額と支払時期は会社により異なりますが、上限いっぱいで定めている会社が一般的です。あらかじめ、手数料の額と支払時期を確認しておきましょう。
売買する際にかかる費用で最も高いのが仲介手数料ですが、素人の個人売買は難しいうえにトラブルも多いことから、不動産会社に依頼するのが一般的です。仲介手数料を払う分、売却のための営業活動を頑張ってくれるわけですから、不動産会社をフルに活用しましょう。
■売買契約書に貼る印紙代がかかる
売却が決まり、売買契約書を作成する際は、収入印紙代も負担しなければなりません。印紙税の額は契約額により異なり、契約書に記載されています。但し、平成30年3月31日までに作成される不動産の譲渡に関する契約書で、契約金額が10万円を超える場合は、印紙税の税率には軽減措置があり、契約金額が2000万円の場合 (1000万円を超え5000万円以下の場合) は1万円となっています。
詳細は、国税局のホームページを参照してください。(http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/inshi/pdf/1055-2.pdf)
■売却にかかる経費、税金を考えて売却額を決めよう
売却を仲介してくれた不動産会社に支払う仲介手数料、契約書に貼り付ける収入印紙代のほか、売却で利益が出た場合は利益額に対して所得税や住民税がかかります。
また、住宅ローンを組む際に設定された抵当権を抹消するための抵当権抹消費用、住所変更登記といった登記費用のほか、司法書士への報酬がかかります。
不動産売却の際、自分に入る手取り金額は、これらの税金や諸経費を引いた分です。いずれも「売れたら払う」成功報酬ですが、あらかじめ売却にかかる費用を頭に入れておきましょう。2000万円で売れたら2000万円が手に入る……と期待していたら、がっかり。とらぬ狸の皮算用にならないよう、不動産会社と相談して査定額とのバランスを調整しながら、売却額を設定しましょう。