厳しい暑さも終わり、ようやく涼しい季節となって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか?不動産の売買を検討される場合は(主に購入する場合ですが)、登記簿には必ず目を通しておいてください。今回はその登記簿の見方について簡単にご説明します。
まず、登記簿の記載部分は大きく分けると「表題部」と「権利部」に分かれます。
「表題部」には物件の所在地、家屋番号、不動産番号、構造、床面積等について記載されておりますが、一番注目すべき部分は床面積です。この数字が契約書に記載されている面積の数字と一致しているかどうかを確認してください。
「権利部」の記載は「権利部(甲区)」という記載と「権利部(乙区)」という記載に分かれます。
「権利部(甲区)」には所有権に関する事項が記載されていて、これまで物件がどのような所有者が保有していたか等の情報が記載されております。もちろんここで一番注目すべきは現在の所有者が誰であるかです。あまり頻繁に起きることはないですが、たまに実際の所有者と売主が異なる「他人物売買」がなされることがあります。これは細かく言うと民法560条や561条で定められているのですが、物件の所有者が物件を譲渡する意思が無くても他人の物を売買契約の目的として、売買契約は有効に成立します。もちろん、買主は物件を取得できないときは解除できるのですが、「他人の物であることを買主が知っていたでしょ」と言われ本格的に争われた場合に「知らなかったこと」を証明しなければならないので非常に労力を要しますし、トラブルにもなることから、所有者が承諾していない限りこのような売買にははじめから関わらないほうが良いです。そのため、登記簿での真の所有者の確認は非常に重要になります。
「権利部(乙区)」には所有権以外の権利に関する事項が記載されていて、抵当権や根抵当権での融資額をチェックすることができます。融資額は売買価格を決めるうえで非常に重要となるので、この部分に関する調査は怠らずにやりましょう。
以上が登記簿の大まかな見方になります。はじめは取っつきづらいかもしれませんが、不動産売買に慣れてくると、趣味のように細かい部分まで読み取れる力が付くようになる方もいらっしゃいます。ぜひチャレンジしてみてください!