建物を見極める【11のポイント】のうち、ポイント4~5を見ていきましょう。
[建物そのものに関するポイント]
ポイント4.アスベストの使用は?
仲介会社や売主に、アスベストを使用しているかどうかを必ず確認しましょう。
アスベストを使っていても、それだけで危険性があるわけではありませんが、解体工事の際に発ガン性のある粉塵が発生すると言われているため、建て替えをするなら専門業者に除去してもらう必要があります。
リニューアル工事で除去の必要があるかどうかは、工事の規模や場所によります。施工業者と十分に話し合う必要があるでしょう。
特に、アスベストの吹き付け工事が禁止された1975年以前の建てられた古い建物では、十分に気をつけてください。それ以降の建物でも、アスベストを使用した建材が使用されていることがありますので、1975年はあくまでも目安としてください。
ポイント5.新耐震基準と耐震補強工事は?
1981年(昭和56年)6月1日に、建築基準法施行令の改正により、新しい耐震基準、いわゆる「新耐震基準」が施行されました。この日以降に建築確認を受けた建物に対しては、新耐震基準が適用されています。実務において、上記日時を竣工日で判断されて方もおりますが、あくまでも建築確認の起算日ですので、注意しましょう。逆に、新耐震基準は一定期間前から公開されていましたので、竣工が上記日時に以前でも新耐震基準を満たしている場合もありますので、個別に確認しましょう。
自社ビルの物件を選定するときには、募集資料などから古い耐震基準に準拠しているのか、新しい耐震基準に準拠しているのかわかるはずです。
新耐震基準であれば問題ありませんが、旧耐震基準で建てられている場合、耐震補強工事が実施されているかどうかも確認しましょう。
旧耐震基準のままの建物を取得した場合、震度6以上の地震には対応できないと言われていますから、できれば耐震補強工事をするか、建て替えをすることをお勧めします。ただ、現実にはコストとの兼ね合いとなります。
参考文献
自社ビル取得&運用マニュアル(すばる舎リンケージ)
株式会社ダク・エンタープライズ
株式会社首都圏ビルマネジメント
代表取締役 阿部龍治