建物を見極める【11のポイント】のうち、ポイント3を見ていきましょう。
[建物そのものに関するポイント]
ポイント3.修繕の見込み費用は?
売りに出されている建物付きの土地物件は、それぞれのもとの持ち主が資金繰りに困って手放すことが多いので、修繕や更新がされていないケースが多いと言えます。
そこで、リニューアルを行う場合には、外壁、内装、床面、各種設備等がそのまま利用できるかどうか、また、利用できないのであれば、どの程度の補修が必要か、業者にも確認しながら、状態をしっかり確認することが大切になります。
購入後に設備の大改修が必要になると、まとまった資金が必要となり、返済計画に支障が出たり、資金繰りの妨げとなったりします。また、致命的な欠陥を見落としてしまうと、とんでもない出費を強いられる場合もあります。建物の現状をつぶさに把握し、物件ごとにどの程度の修繕費が必要か確認してください。
建物が比較的新しい場合、または設備などの更新を適宜実施していた場合には、大規模な修繕を行わずにそのままその建物を継続利用することも可能です。しかし、実際にはほどんどのケースで、それなりの規模のリニューアル工事が必要となります。
また、企業ブランディングの観点から、自社の社風やイメージに合わせてオフィスのデザインやレイアウト、あるいはビル外観などを変更したい場合もあるでしょう。ようやく手に入れた自社ビルなのですから、経営者の好みに作り替えたいという気持ちもわからなくはありません。
どちらにしろ、物件選定の最終段階に入ったら、購入後のリニューアル工事の費用見積りを各工事業者から取り寄せましょう。当然ですが、数社から相見積もりをとり、条件がよく信頼できる業者と契約します。本業が忙しい、ノウハウがない方は、専門家に依頼することも検討されるといいでしょう。専門家の報酬を出した方が、トータルの費用が安くなることもあります。
参考文献
自社ビル取得&運用マニュアル(すばる舎リンケージ)
株式会社ダク・エンタープライズ
株式会社首都圏ビルマネジメント
代表取締役 阿部龍治