建物を見極める【11のポイント】のうち、ポイント1~2まで見ていきましょう。
土地についての注意点同様、建物についての注意点も、建物そのもの、価格、法令上の制限、テナント運営・管理、権利、契約書類といったポイントごとに紹介していきます。
中古のビルをリニューアルしてそのまま使う場合や、建て直しを行う場合には、こうしたチェックポイントをしっかり確認し、自社にとって最適な物件を選びましょう。
[建物そのものに関するポイント]
ポイント1.現在の延床面積と、建て替えた場合の延床面積は?
現存の建物がある場合、現在の延床面積を募集資料や建物登記簿謄本などで確認することができます。
しかし、この数字は現在の建物が建てられたときの建築基準法に準じたものです。いったん取り壊して建て直すときには、注意が必要です。
専門家に依頼して、現在の建築基準法に準拠して建て替えをした場合の最大延床面積も教えてもらいましょう。ラフな設計図面を作成してもらうと、さらにわかりやすいと思います。現在の延床面積と建て替えた場合の延床面積の2つの数字は、常にセットで考えたほうが安全です。
ポイント2.築年数(竣工年数)と施工会社は?
建物の築年数と、施工会社も要チェックです。
もちろん、築年数は浅い(=新しい)ほど資産価値が高く、多く(=古く)なればその分価値が低くなります。
ただし、あまりにも築年数が浅い物件の場合、何か不具合があることも考えられますので、どういった背景で売りに出されたのか、確認する必要があるでしょう。
また、施工会社は、購入後のアフターケアのためにきちんと確認しておきましょう。評価の高い施工会社であれば、資産価値の面でも多少よい影響があります。もし、募集資料に築年数や施工会社の記載がなくても、施工図面が残っていれば設計会社や施工会社の社名が記載されています。施工日も記載されていますから、そこから築年数も計算できるでしょう。竣工後、すみやかに登記を完了していれば、建物登記簿謄本を参照しても築年数を割り出せます。
参考文献
自社ビル取得&運用マニュアル(すばる舎リンケージ)
株式会社ダク・エンタープライズ
株式会社首都圏ビルマネジメント
代表取締役 阿部龍治