第10回では、自社ビルを取得【17ステップ】のうち、ステップ16~17について、詳しくポイントを見ていきましょう。
ステップ16.自社ビルの竣工
自社ビルの竣工は、天候や部材の仕入れなどにより、スケジュールがずれることも考えられます。余裕をもったスケジュールを立てることは、とても重要です。悪天候により大幅にスケジュールがずれる場合は、思い切って、リスケをする勇気も重要です。建設会社の責任でない要因による遅れの場合、あまり無理をさせると手抜き工事につながるリスクもありますので、途中における進捗確認やこまめな打合せが最終的に良い資産を残すことになります。
ステップ17.オフィス移転・仕事始め(前編)
[現在の賃貸オフィスの解約を予告する]
新しいオフィスでの業務開始の日程が確定したら、早めに現在の賃貸オフィスの解約予告をします。多少の余裕を持って、解約届を書類で提出します。早い段階で現在の賃貸借契約書を確認し、解約予告期間をチェックしておきましょう。一般的に6ヶ月または3ヶ月が多いと思います。
このとき、長年お世話になった貸ビルオーナーには十分にお礼を伝え、事務所開きへの出席なども提案するといいでしょう。
自社ビル建築のスケジュールずれなどの際にご協力いただけるような信頼関係を継続的にもつことをお勧めします。特に、同じエリアで自社ビルを建設している場合、今後も同じエリア内となりますので、良い関係を保ちましょう。
[自社ビルでのオフィスレイアウトを確定する]
自社ビルの取得が現実的になった段階で、社内に担当者やプロジェクトチームを作り、新しいオフィスでのレイアウトの検討をはじめましょう。
アンケートやヒアリングを実施して、現場スタッフが感じている現在のオフィス環境への不満や改善提案などを吸い上げ、より効率的な業務遂行が可能となるレイアウトを検討しておきます。
(その11)へ続く
参考文献
自社ビル取得&運用マニュアル(すばる舎リンケージ)
株式会社ダク・エンタープライズ
株式会社首都圏ビルマネジメント
代表取締役 阿部龍治