第2回では、自社ビルを取得【17ステップ】のうち、ステップ3~4について、詳しくポイントを見ていきましょう。

ステップ3.自社ビル取得目的の明確化

自社ビル取得に向けたビジョンを組み立て、さらにそれを経営計画に落とし込んでいきます。

[ビジョン]

・なぜ自社ビルを持ちたいのか?

・自社ビルを持つことで自社にとってどんなメリットがあるのか?

経営者の思い入れだけを表明した「一方的なメッセージ」にならないように注意しましょう。役員や幹部等の経営陣はもちろんのこと、社員全員が共感できるようなビジョンを作り、それを全社で共有することがとても重要になります。

貸事務所や賃貸オフィスを借りていた会社が自社ビルを取得する場合、従業員の住環境にも大きく影響することが大きいです。いままでのオフィスエリアで自社ビル用地が見つかればよいのですが、一般的に、別のエリアとなることが少なくありません。その場合、通勤ルートも変わり、一部の従業員は引越しを検討することになります。できれば、複数の部署から代表を集めた移転プロジェクトを組織して、自社ビルを持つ意義やメリットなどのビジョンを早期から共有することが重要であると考えます。

ステップ4.経営計画・資金計画の策定

ビジョンで自社ビル取得を目指す目的・理由を明確にした後は、そのビジョンを現実にするための具体的な方法を考え、経営計画に組み込んでいきます。

「経営計画」とは、企業が3~5年後などの中長期にめざす「あるべき姿」=「ビジョン」と、現在の状況との間にあるギャップを把握し、このギャップを埋めるための具体的な行動を書面にして、明確化したものです。

[経営計画策定のメリット]

・企業における問題点を把握できる

・金融機関の信頼を得やすくなる

・資金繰りの見通しがつく

・経営者と社員がビジョンや目標を共有できる

・売れる仕組みが構築できる

自社ビルの取得を組み込んだ経営計画を策定することは、非常に重要なステップです。

(その3)へ続く

参考文献
自社ビル取得&運用マニュアル(すばる舎リンケージ)

株式会社ダク・エンタープライズ
株式会社首都圏ビルマネジメント
代表取締役 阿部龍治

 
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