第1回では、自社ビルを取得【17ステップ】のうち、ステップ1~2について、詳しく見ていきましょう。
ステップ1.希望条件の洗い出し
まずは、希望する立地や設備条件などを洗い出すところから始まります。
希望する立地・エリアおよび設備条件にわけて、考えるときのチェックポイントについて、考えてみましょう。
[希望する立地・エリアを考えるときのチェックポイント]
現在の自社オフィスを基準にして、
希望する立地やエリアを考えるようにすると、具体的な条件を上げやすくなるようです。
・取引金融機関の営業エリア
・取引先(特に仕入先)との関係
・顧客層や顧客エリア
・電話番号変更の可能性
・社員の通勤状況
・人材の集めやすさ
- ・移転後の事業計画
[希望する設備条件を考えるときのチェックポイント]
・個別空調 or セントラル空調?
・機械警備は必要か?
・セキュリティレベルは?
・男女別トイレにするか? それとも男女共同トイレでよいか?
・光ファイバー回線が必要か? どの通信キャリアにするか?
・OAフロア(フリーアクセスフロア)の設置は必要か?
・電気容量はビル全体でどの程度必要か?
・フロアを小割対応にするか?
・その他必須となる設備はあるか?
現場のキーパーソンを自社ビル取得プロジェクトに参画させたり、
アンケートによって現場の声をあらかじめ収集することなども役立ちます。
本業の合間に自社ビル移転プロジェクトにスタッフを参画させる場合、
その価値をきちんと伝えることがとも大切となります。
ステップ2.希望条件の絞り込み
洗い出した希望条件について、
・実現可能性はどうか?
・優先順位はどうか?
など、自社の発展やスタッフのモチベーションアップに必要な条件はどれかと
絞り込んでいきます。
あまり細かく絞り込みすぎると、対象物件が減るだけでなく、不動産会社に難しい案件と判断され、本気で探してもらえないこともあります。信頼できる不動産会社を持っておくか、複数の不動産会社にご相談することをお勧めします。
(その2)へ続く
参考文献
自社ビル取得&運用マニュアル(すばる舎リンケージ)
株式会社ダク・エンタープライズ
株式会社首都圏ビルマネジメント
代表取締役 阿部龍治