土地売買契約締結までの一連の流れとは?

まずは当たり前ですが、売主・買主の「あなたに売ります」「私が買います」の合意が必須です。全てはここから。一般的に重要事項説明(後ほどご説明します)→売買契約の締結→契約上の義務の履行という流れで進んでいきます。契約上の義務の履行とは、例えば代金の支払い・所有権の移転や引渡しなど、契約した内容を実際に行動に移すことを指します。

重要事項説明書とは? 説明は必ず対面で

不動産取引に関する専門家である宅地建物取引士が、土地の権利関係や取引条件など重要事項を一つずつ説明するために書面にまとめたものを重要事項説明書といいます。売買締結前に買主に対して重要事項説明書を用いて宅地建物取引士が説明を行うことは、宅地建物取引業法第35条で義務付けられています。説明の際には、疑問点を残さないようにすることが大切です。ちなみに、電子メールが普及している世の中ですが、重要事項説明書をメールなど電磁的な方法で行うことは現状認められていません。

重要事項説明の内容はどんなもの?

先程少し触れましたが、重要事項説明書の内容にもう少し触れておきましょう。重要事項説明書の内容は大きく6つに分類することが可能です。①物件・土地に関する権利説明②権利制限内容の明示③属性の明示(ライフライン・属性区域・耐震診断など)④取引条件の明示(金額・契約期間など)⑤取引に当たって宅地建物取引業者が講じる措置⑥その他が書かれています。例えば⑥その他には、マンション管理の委託先が記入されたり、建物が建っている場合には建物維持修繕の記録が記入されていたりします。

いよいよ売買契約の締結を行います!

不動産会社・売主・買主、3者が揃った状態で売買契約書の読み合せを行います。契約内容に不満がある場合には、項目の追加・変更・削除をこの時点で行い、両者が納得できる締結を行えるよう修正してもらいましょう。重要な書類をコピーして手元に保持するのは絶対に大切ですが、忘れられがちなのが支払いに利用した預金小切手のコピーです。万が一に備え、すべての金銭受理のコピーをとっておくことをオススメします。

疑問を確実に潰してから締結することが大事

重要事項説明書には、多くの建築・不動産用語が出てきます。わからない語句があったら、売買契約の締結を行う前に自分で調べたり不動産会社へ確認したりして疑問は確実に潰しておきましょう。このように重要事項説明は非常に大切なプロセスです。しかし、面倒なプロセスでもありますので、「電子メールに限らずテレビ電話などで、重要事項説明を行うことはできないか」という議論も多くなされています。個人情報の流失など問題もありますが、時代のニーズに即した解決策が見つかって少しでも消費者の負担が減ると良いですね。

 
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