不動産を含め、私たちの
様々な財産を守っていく
上で大切な制度がある。
今後、高齢化が進んでいく
この日本という世の中で
特に大切な制度がある。
それは成年後見制度と言って、
意思決定の能力が無い人を
守るための制度だ。
意思決定の能力が無い人とは
知的障害、精神障害、認知症
などの人を指す。
これらの判断能力が不十分な
人達が不利益を被らないように
家庭裁判所に申立てをして、
援助する人を決める制度だ。
【祖父の介護現場を見て】
私の亡くなった祖父は晩年に
病気をして足腰が弱り、
要介護状態になった。
人間というのは足腰が弱り、
歩けなくなるとどうしても
頭の回転も鈍くなる。
結果的に、認知症とまで
呼べるかはわからないが、
自らの決定事項を決めるだけの
判断力が無い状況に陥っていた。
私自身も、祖父の介護に不定期で
参加していたのだが、やはり
その際に目についたのが、
この成年後見人制度である。
たまたま、そういった情報が
書いてあった冊子を手に取って
読んだ事を覚えている。
恐らく、祖母が祖父の後見人
となり祖父の抱えている様々な
意思決定を祖父の代わりに
下していたのだと思う。
【制度を知らないと損する】
今回は民法の規定する
制限行為能力者という括りの
成年後見制度というものを
お伝えした。
私は独学でFPの勉強をしたり、
たまたま仕事柄こういった
社会の制度について調べたり、
考える事が多かった。
普通の社会人生活を送って
いれば、自然に身につくような
ものなのかと思っていたが、
意外にも知らない人が多い。
【民法は面白い】
おそらくこのコラムを読んでいる
方は不動産に興味がある方や、
不動産業界に勤めている方だと
思うのだが、やはり民法という
ものは社会生活を営む上での
基本なのだなと学んでいく内に
気付かされる。
宅地建物取引士の勉強や
その他の高度な法律資格を勉強
する上では避けて通れない道
なのだが、仮にそういった仕事や
職業に従事しなくても知っておいて
損が無いと私は思っている。
今回お伝えした成年後見制度は
高齢化が進んでいく上で避けて
通れない人が増えていくだろう。
また、自分の両親が亡くなった時に
発生する相続などの問題も民法を
勉強すればわかる。
住まいに関しても勿論の事である。
一生に一度の買い物とされる
不動産の購入や、不動産を借りる
際にルールを知らないと損をする
事もある。
やはり、法律などの社会制度を
知ると言う事は、世の中を生きる
上でのルールブックを知るという
事なのだと私は考える。